落とし主が判明しなければ自腹で修理するしかない
高速道路では、24時間・365日、交通管理隊の隊員が黄色いパトロールカー乗って巡回し、落下物の回収などを行なっている。この交通管理隊が故意に落下物を見落としたり、通報を無視したという証拠でもない限り、道路管理者の過失を立証することはできないはずだ。
というわけで、高速道路で落下物と接触した場合、その落とし主が判明しなければ、壊れた部分は自腹で修理するしかない。
車両保険に入っていれば、車両保険での修理も可能だが、自損事故扱いになるので、クルマ対クルマに限定したエコノミー型の車両保険では対象外。
ただし、道路に落ちていた落下物ではなく、「飛来中または落下中の物体との衝突」のケースであれば、エコノミー型の車両保険でもカバーされるので、まずは加入している保険会社に相談を。
同時に事故を証明するために、警察への連絡もマスト。
また「道路緊急ダイヤル(#9910)」への通報も重要。とくに被害がなくても、落下物を見つけたときは「道路緊急ダイヤル(#9910)」へ電話することで、落下物の処理が早くなり、アクシデントを防ぐことにつながるからだ。
万が一、落下物とぶつかって、走行が続けられなくなったときは、非常駐車帯を利用し、運転者と同乗者の安全を確保したうえで、「道路緊急ダイヤル(#9910)」へ電話し、JAFもしくは自動車保険のロードサービスを手配しよう。
なお、高速道路への積載物の落下は取り締まりの対象で、違反点数2点、反則金は9000円(普通車)が課せられる。
さらに、落下物により第三者に被害を与えた場合には、「3カ月以下の懲役若しくは5万円以下の罰金、又は10万円以下の罰金」、落下物により死傷者が出てしまうと、「7年以下の懲役もしくは禁錮又は100万円以下の罰金」となるので、くれぐれも落下物を落とさないこと。
最後に、落下物で被害に遭わないためのポイントを整理しておこう。
1) 車間距離をあけること。
2) 落下物を知らせる掲示板を見落とさない。
3) 積み荷の固定が緩そうなクルマには近づかない。
4) 路肩に寄って走らない(落下物は、路肩側に落ちている場合が多い。また少しでも前が見通せるほうが、落下物の早期発見につながる)。
5) 紙やビニール、布類など、柔らかくて、軽そうな落下物でも、極力踏まない、触らない。
全国で年間32万件ということは、一日平均約877件、10分間に6件は危険な落下物が落ちている計算になるので、他人事だと思わずに、つねに上記のことに気をつけて、安全なドライブを心がけるようにしよう。