左右非対称の形状は禁じられているといえる
まとめると、ハンドルに尖った部分などがあって、操作を邪魔するものや、衝突時に乗員への攻撃性があることは保安基準によって禁じられていると理解できる。
そのため、レーシングカーのようなスイッチがついたハンドルは量産車に採用するのは難しいといえる。いずれにしても、突起物と判断できるような形状はNGだろう。
逆にいえば、それ以外の部分では規定されていないということになる。すなわち突起を持たないヨーク型ハンドルであれば、現状の保安基準であっても認められた形状といえるのだ。
では、どんな形状のハンドルでも認められるのかといえば、そうとはいえない。かじ取りハンドル・かじ取り装置についての保安基準において以下の項目が規定されている。
かじ取ハンドルの回転角度とかじ取車輪のかじ取角度との関係は、左右について著しい相異がないこと。
かじ取ハンドルの操舵力は、左右について著しい相異がないこと。
これらの条件からすると、右と左でギヤ比が異なるような操舵システムは保安基準を満たさないといえるし、ハンドル形状についても極端な左右非対称では、これらの項目に抵触すると考えられる。もっとも、左右非対称のハンドル形状というのは使い勝手を考えるとあり得ないだろうが……。