日本は欧州ディーゼル車が大人気! 世界がEVへ向かうなかニッポンの特殊な事情とは (2/2ページ)

ドイツ車ではとくにディーゼルモデルが人気

 ただ、そんな欧州ブランドも昨今ではBEV(バッテリー電気自動車)も日本市場に積極投入している。日系ブランドが世界的にBEVのラインアップで出遅れているので、BEVでは日本市場に勝機があると考えているのは間違いないだろう。日本車に選択肢がほとんどないのだから、ラインアップしておけばBEVに興味があるひとが輸入車に注目するのは自然の流れ。

 そうなると、“まだBEVは早いなあ(価格も高いし)”と考えていて輸入車の購入を検討するときに、“ガソリンを選ぶのと、ディーゼルを選ぶのとではどちらがいいのかなあ”と筆者はふと疑問に思っていた。そこで、某輸入車ディーラーでその質問をセールスマンにぶつけてみると、「まさにイマドキといえますが、たとえば一世代前ぐらいのモデルのガソリン車から現行モデルのディーゼル車へお乗り換えになるお客様が目立ちますね。燃料代の問題が大きいようです」と話してくれた。そんなに差があるものなのかと考えていると、「欧州車はハイオク仕様となりますので、現状では軽油との差額は無視できませんよ」と付け加えてくれた。

 資源エネルギー庁が6月29日に発表した、“石油製品価格調査”では、6月27日に調査した全国平均のハイオクガソリン1リッターあたりの価格は186円、一方軽油は155円となっており、その差は31円。たとえばメルセデスベンツC200アバンギャルドのタンク容量は66リッターなので、1回満タンにするごとにハイオクに比べ軽油の場合は2046円燃料代が安く済むことになる。富裕層とはいえ油種の違いだけで、満タンごとに2000円強も差がつくのは見過ごせないだろう。

 今後を見通すのはなかなか難しいが、現状では前述したとおり、とくにドイツ車ではディーゼル車が好んで乗られている。中古車として再販する際のリセールバリューもディーゼル車のほうが期待できるので(いまの燃料費高騰が長引けば数年スパンでディーゼル車への期待はますます高まるだろう)、昨今の異常な燃料費高騰も手伝って、ガソリン車からディーゼル車へ乗り換える傾向が目立っているようである。納期についても、日本車の人気ハイブリッド車ほど極端に遅延することなく、大半は半年ほどで収まっているようなので、そもそもブランドステイタスの高い輸入ディーゼル車というのは、現状では賢い選択肢といえるかもしれない。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

-

愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

新着情報