納期遅延が長引けば中古車価格の高騰も続く
同じような例として、2021年に発売されたヴェゼルも挙げられる。直列4気筒1.5リッターのノーマルエンジンとe:HEV(ハイブリッド)を搭載するコンパクトSUVだが、販売店によると「e:HEVの納期は半年から1年に達する。PLaYは納期の遅延により、以前から受注を中断している」とのことだ。
以上のようにいまは納期の遅延によって新車を購入しにくいから、ヴェゼルe:HEV・Zの中古車も340〜380万円前後で販売されている。新車価格は289万8500円(2WD)で、オプション設定のカーナビなどを加えても320〜330万円だから、かなりの高価格だ。
クルマの使用頻度が高いユーザーは、気に入った車種をなるべく早く手に入れたい。そのためには、価格が少し高くても購入する場合があるため、この需要を見込んで中古車価格が高騰している。
根本的な原因は納期の遅れにあり、メーカーの責任だが、いまは新型コロナウイルスにロシアのウクライナ侵攻も加わった。この影響で、半導体、ワイヤーハーネス、塗料、樹脂パーツなど、さまざまな供給が滞っている。一概にメーカーを責めるわけにもいかない。
ユーザーの対応策としては、新車を買いたい場合、早めに商談を開始するしかない。そして、納期の遅延が今後も長期化することが考えられるから、定期点検とパーツの交換を割安に受けられるメンテナンスパッケージにも加入して、1台のクルマを長く大切に使えるように備えておきたい。