ガチ金持ちは6輪車を選ぶ時代! 世界の悪路を爆走する「6輪SUV」が常識外すぎて笑う (2/2ページ)

ハイパフォーマンス6輪車が流行っている?

 ところで、AMG G63 6×6は世界的にSUVの6輪化というトレンドも生み出したようで、柳の下を狙ったクルマがちらほらと。

 たとえば、アストン・マーティンのコスメ&チューンブランドの「カーン」がランドローバー・ディフェンダーを6輪化。カーンのブランドネームでなく、チューニングトラック専用ブランド「フライング・ハンツマン」からリリースされ、お値段3000万円程度とAMGの半額以下というお買い得プライス。それでも、シボレー製V8エンジンを搭載して430馬力を発揮するそうなので、少なくともノーマルの超ダルい走りよりは「だいぶマシ」なことでしょう。

 が、ディフェンダーの6輪車はなにもこれが最初ではありません。ミリタリーマニアなら先刻ご承知でしょうが、1980年代にオーストラリア軍がJRA(ジャガー・ローバー・オーストラリア)に特注した「ぺレンティ」という6輪駆動マシンがあったのです。

 JRAは駆動システムから作り上げ、旧弊なエンジンでは「使い物にならん」とばかりに、いすゞ製ディーゼルエンジンに換装。見事、軍が要求した積載量や速度を達成したのです。もしかすると、フライング・ハンツマンの6輪駆動システムはぺレンティからヒントを得たのかもしれませんね。

 柳の下のどじょうはまだまだおりまして、フォードのカッコいいピックアップF-150ラプターを6輪駆動マシン、その名も「ヘネシー・ヴェロキラプター」。

 つまり、猛禽(ラプター)を超越しドロマエオサウルスという恐竜の名にちなんだもの。明らかに前出2台とは違ったコンセプトで、キングキャブのベッドをストレッチしてリヤタイヤをもう一組加えた全長はなんと7メートル越え。もはやトラックというよりトレーラーに近づいてます。こういうの作らせたら、やっぱりアメリカ人は優れていて、ヘネシー・パフォーマンスはエンジンチューンも制御マップの書き換えから、吸排気の最適化などを施して600馬力オーバーを実現。37インチという旅客機かのようなタイヤ6本で、鬼のような加速をしてくれるそうです。

 また、フォードには6輪は6輪でもトラックと同じくダブルタイヤ仕様の6輪車、「デューリー」と呼ばれるスーパーデューティというカタログモデルも存在します。ラプターの上級車種というか、より本格的なトラックシリーズでF-250/350/450と用途に応じてグレードが選べるラインアップ。牽引能力15トンと言いますから、エアストリームキャビンのフルサイズなんか余裕で連ねちゃう感じ。

 なるほど、ダブルタイヤ仕様の正しい使い方をしていて、6輪駆動車がなんとなくミーハーに見えてきてしまうのは筆者だけでしょうか。たとえば、荷台にロシア製40トンクラスの鍛造マシンとか、発電所むけ変圧器みたいな重量物を載せて激走してみせてくれたら誰もが納得すると思うんですがね。


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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