この記事をまとめると
■昨今の「内燃機関はダメ」という考え方は技術の可能性を狭める
■それを明確に示すのがトヨタの水素エンジンだ
■トヨタが水素エンジンに力を入れる理由について解説する
「内燃機関はダメ」という考え方は技術の可能性を狭める
トヨタは、水素エンジンを搭載するカローラスポーツで、モータースポーツに参戦している。そこには複数の目的があり「二酸化炭素の排出量を抑制する手段は、電気自動車だけではない」と主張することも含まれる。
各メーカーやブランドが発信している昨今の方針には、内燃機関を否定する趣旨も多い。ホンダは2040年までに、すべての新車を電気自動車と燃料電池車にする目標を掲げた。GMは2035年までに、新車販売される全車をゼロエミッション車にするという。フォードは2030年までに、欧州で新車として販売する全車を電気自動車にして、2050年にはすべてをカーボンニュートラルにするとしている。
これらの方針は、いずれもハイブリッドを含めた内燃機関を廃止して、電気自動車や燃料電池車に変更するものだ。
しかし「内燃機関はダメ」という考え方は、技術の可能性を妨げてしまう。日本自動車工業会も「電気自動車は、カーボンニュートラルを達成するための唯一の手段ではない」としており、技術には、常に多様性を持たせておく必要がある。状況に応じて最適な技術を使うことが大切で、ひとつの方法が未来にわたって使われ続けるとは限らない。昨今の傾向は視野が狭いわけだ。