クルマ好き感涙の「ターボ+MT」なのに庶民でも買える「安かろう良かろう」モデル4選 (2/2ページ)

速くて楽しくて実用性も高いといいこと尽くめ

 予算的に考えると、この2台よりもリーズナブルに感じるのが、ご存じ「スイフトスポーツ」だ。1.4リッター直噴ターボ+6速MTのFFスポーツモデル、スイフトスポーツのメーカー希望小売価格は201万7400円と、まさにスズキの良心ともいえる価格設定。あまりオススメはできないが、先進安全装備をレスオプションにすると187万4400円となっている。

 安かろう悪かろうではないのが、スイフトスポーツのいいところ。1.4リッターターボの最高出力自体は103kWと控えめだが、最大トルクは230Nmと太く、ライトチューンで2リッターターボ級に迫ることができるほどのポテンシャルを持っている。

 シャシーについても高いレベルで仕上がっており、車両重量が970kgと軽量なこともあってノーマルでもパフォーマンスは高いレベルにある。まさにコスパ最強のスポーツモデルなのだ。

 ただひとつだけ注意点がある。

 このスイフトスポーツだが、原稿執筆時点では問題なく注文できたものの、今現在注文を入れると、生産の都合上”次期モデル”の案内になる可能性があるとのことをディーラーにて確認した。なお、この”次期モデル”がマイナーチェンジに準ずるモノなのか完全な新型なのかは一切不明とのこと。現行モデルを検討中の方はお早めに。

 同様に、FFにターボ+6速MTを設定しているのがトヨタ・カローラだ。ただし1.2リッターターボのスペックは最高出力85kW、最大トルク185Nmと控えめで、パフォーマンス面ではスイフトスポーツには及ばない。

 とはいえカローラの場合は、5ドアハッチバックのカローラスポーツ(216万9000円~)だけでなく4ドアセダンのカローラ(242万4400円)にも1.2リッターターボ+6速MTのパワートレインが設定されている。ことさらにスポーツ心をアピールするのではなく、意外性のある6速MTの選択肢として注目といえそうだ。

 もっともトヨタ車でターボ+6速MTのパワートレインを選ぶのであれば本命はGRヤリスであろう。1.6リッターターボエンジンはコンパクトな3気筒をあえて選択、最高出力は200kW、最大トルクは370Nmとなっている。

 そこに組み合わされる6速MTも専用セッティングで、駆動方式はフルタイム4WD。パワートレイン全体としてスポーツドライビングを追求している稀有なモデルだ。

 GRヤリスのメーカー希望小売価格は396万円~456万円。容易に手の出せない高価格帯ではあるが、カーボンルーフを標準装備としていることや、モータースポーツでの実績が示すパフォーマンスを考えれば価格相応以上の内容といえるだろう。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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