市販化にあたってエンジンを3.5リッターV6ツインターボに変更
だが、プロトタイプとして製作されたXJ220は大きな問題を抱えていた。それはボディの大きさとV型12気筒エンジンを搭載することによる重量の大きさ。しかも、駆動方式をフルタイム4WDとしていたから、実際の生産の前にはパワートレイン一式を見直す必要に迫られることになる。
ジャガーは、まず搭載エンジンをグループCカーのXJR-10由来となる3.5リッターのV型6気筒ツインターボに変更。550馬力の最高出力をスペックシート上で主張し、駆動方式もシンプルなRWDに。目標としていた220マイルの最高速には及ばなかったが、それでも当時世界最速の216マイル(約347km/h)のトップスピードと、3.9秒という0-100km/h加速を記録したのだった。
生産型のXJ220が世界初公開されたのは、1991年の東京モーターショーでのことだった。一方、XJR-15のベースとなったXJR-9は、1990年に30台が限定生産され(当初の計画は50台だったというが)、翌1991年にはそのワンメークレースも3戦が開催されている。
XJ220は限定で220台を生産する計画だったが、最終的には1993年までに271台を生産したところでプロダクトは中止。
この1993年には「XJ220C」と呼ばれるコンペティションモデルが、ル・マン24時間レースのカテゴリー4(GTクラス)に3台出場したのも大きな話題となった。
ここ最近、オークション・シーンなどで再びその存在が注目され始めているジャガーXJ220。
それはジャガーの歴史の中でも、とりわけスーパーでエキゾチックな1台といえるのではないだろうか。