乗員を生かすか歩行者を助けるか選択すべきシーンも出てくる
そして、クルマ好きが食いつきそうな通説がこちら「通説3:自動運転車は運転が楽しくない」です。これに対する真実が「自動運転車が、運転の楽しみを奪うことはありません。ユーザーの希望により、いつでもクルマを運転できるようにします。たとえば、高速道路での渋滞など、特定の状況で、自らクルマを運転するか、あるいは自動運転に切り替えるかを選択することができます」と。
運転したくなったら自動運転オフにすりゃいいじゃん、てことなんでしょうが、そうすると通説2の交通環境全体のハーモニーに不協和音が混じるんじゃね? と矛盾を感じざるを得ません。それに、ドライバーが前向いてないクルマで運転するのも不安で仕方ありません。揚げ足取りと言われるかもしれませんが、取られるような真実こそ「絵にかいた餅」に過ぎないのではないでしょうか。
さらに「通説4:自動運転車はハッキングされる恐れがある」です。きたコレ! なまじっかハッカー映画とか観てると、やっぱコレが心配! ここはアウディの調査チーム「SocAlty」エキスパート、サム・アブエルサミド氏の真実コメントをご紹介。「自動車業界は、現在この問題を真剣に受け止めています。そのためには、設計の初期段階からプロセス全体、そしてビジネスのあらゆる側面に至るまで、セキュリティ対策を組み込むことが重要です」って、当たり前すぎて裏の意味でもあるのかと勘繰ってしまいます。額面通りに受け止めたとしたら、中学生、いや最終学歴:教習所という筆者レベルの「陳腐な真実」で、読んでいてもっともガックリきたポイントでしたね。
もちろん、ドイツの意識高い系だけあって、「通説5:自動運転車により、必要な駐車スペースが減る」や、「通説6:自動運転技術は既に開発されているが、自動運転に関する法制度がまだ追いついていない」といったトピックには思わず納得。ドイツの事例が引かれていますが、いずれは世界各国でこうなるだろうという指摘であり、クルマ好きで自動運転好きじゃない! って方でも受け入れやすい内容です。
また、「通説7:極端なケースでは、自動運転車は生死を決定する必要がある」では、乗員を守るために歩行者を犠牲にするか、それとも歩行者を助けるために乗員を危険に晒すかの究極の選択を迫られる可能性が指摘されている。クルマ好きだけでなく、私たちの次の世代にも問いかけたい、答えを求めたくなるような内容ですので、ぜひご一読ください。
アウディが提示してくれた自動運転の真実について、きっと自分なりの最適解を考えたくなるはずですよ!