30年前のコンセプトが現代にも生きている
そして大人気のパジェロのシャシー(正確にはパジェロのベースとなったフォルテのシャシー)をベースにワンボックスのボディを組み合わせたのが、1982年10月に登場したデリカ スターワゴン4WDである。
通常のデリカよりも高い最低地上高と大径タイヤを装着しており、遠目に見てもひと目で4WDであることがわかるそのスタイルは、のちの3代目デリカスターワゴンやデリカスペースギアにも通ずる意匠となっており、現在販売中のデリカD:5にも受け継がれている。
パジェロをベースとした派生車種としては、1996年に登場したチャレンジャーもそのひとつで、無骨なオフローダーであるパジェロに対し、都会派なイメージを持たせたモデル。日本では1世代のみで終売となってしまったが、その実質的な後継車種であるエアトレック、そしてアウトランダーという系譜をたどり、現在のアウトランダーPHEVに繋がる重要なモデルと言えるだろう。
一方の乗用車系については、1986年8月に当時のミラージュ/ランサーワゴンにフルタイム4WD1800が追加となったのが元祖となっており、そこからギャランVR-4やランサーエボリューションへと発展。ギャランからはステーションワゴンタイプのレグナムが誕生し、乗用車系では1990年に3ナンバーサイズ専用車として登場したディアマンテと、そのプラットフォームを流用したスポーツクーペ、GTOなどの派生車種も登場した。
現在はSUVタイプの4WD車がメインとなっている三菱ではあるが、いつの日かセダンやクーペタイプの4WDモデルが復活することを期待したいところだ。