メーカーがパーツ供給を充実させているのも魅力
●スウェーデンとイタリアとの幸せな出会い
デザイン的な視点で、もう1台の特別なクラシックボルボを紹介します。1985年のジュネーブ国際モーターショーに出展され、大きな注目を集めた「780」です。
一見、「700」シリーズの単なる2ドアクーペ化と思わせつつ、すべてのボディパネルを変更したスタイルはカロッツェリア・ベルトーネによるもの。もともとウエッジの効いた700シリーズですが、リヤデッキを高く長くすることで、古典的な美しさを持つクーペスタイルを獲得しました。
また、寝かせたAピラーによる優雅なキャビン、ブラックアウトさせたBピラーによる広いガラスエリア、ボリューム感のあるメッキモールなど、とにかく全身がエレガントな雰囲気に溢れます。当初はより大胆なデザイン案もあったとされますが、あえて700シリーズに寄せたことが功を奏したと言えるでしょう。残念なのは、そもそも生産台数が少なかったこともあり、中古車としてはほとんど流通していないことでしょうか。
●自社の旧型車を大切にするメーカー、インポーターの姿勢
さて、こうしたクラシックボルボの高い人気を支えるのが、充実したインポーターの体制です。新世代商品の好調な販売によってディーラー網が拡充され、新車のみならず、中古車購入に当たっても心強い状況と言えます。
読者の皆さんも、一度クラシックボルボの世界を覗いてみてはいかがでしょうか?