この記事をまとめると
■現在のクルマは多機能になっており修理が高額になるケースがある
■フロントに集約されたセンサー類がとくに高価になっている
■車内も電子化が進み、修理や交換が簡単ではない場合が多く費用が嵩みがちだ
ただ交換するだけでは済まなかった現代のクルマ事情
素材など、材料費の高騰が続いているのは、メンテナンスや修理にも影響を及ぼしている。バッテリーやオイル、タイヤは続々と値上げしているし、高くても商品があればまだいいほうで、入荷が滞っていたりもする。
また、修理については最近の事情に加えて、クルマの高性能化の影響が修理費高騰に拍車をかけている。今回は壊すと高いものについて見てみよう。
フロントまわり
バンパーをぶつけただけで高額になる例が増えている。理由は裏側にはソナーなどのセンサーが大量に付いているから。フロントグリルにはカメラまで付いていたりするので、それほど被害は大きくなさそうでも高額になる可能性がある。
問題はただ新品や位置を元に戻せばいいのではなく、ちゃんと機能しているかの校正まで必要ということで、手間がかかる。最近はこの点を考慮して設計されているクルマもあるが、限界はある。
ボンネットまわり
フロントをさらに強くぶつけると、一部の車種ではボンネットがせり上がって歩行者を保護するようになっている。
装備としては素晴らしいが、修理という点では、一度上がってしまったボンネットを元に戻すのは新品への交換も含めてかなり大変。大事故でもないのに上がってしまうこともあるのも考えもの。
ボディ
上記ふたつは安全装備が関係したもの。
単純にボディを凹ませても最近は修理費がかなり高い。理由は軽量化と高剛性が両立できることで採用が進む超高張力鋼板。基本的に板金ができないのでパネル交換が基本となる。
パテも専用のものが必要で、パネルを付ける際の溶接も専用の溶接機でないとダメ。さらに板金塗装は人手不足で、そもそも費用が高騰中。その人手不足の影響で、せっかく板金に出したのに仕上がりが完璧でない例も増えていて、注意が必要だ。
ホイール
アルミホイールでも純正はそれほど高くないイメージがあるかもしれないが、最近のものはデザイン性もよくなって凝ったものだし、素材が高騰していることもあって、けっこう高い。路肩でこすったり、パンクしたのに気が付かず走ってしまうと、けっこう費用がかさむ。
エアコン
壊れる部分にもよるが、昔から修理費が高いのがエアコン。
さらに最近ではインパネがバラしにくい構造になってきているので手間がかかる。そして気をつけないといけないのが、コンプレッサーの焼付き。最新タイプはクラッチでつなげたり、切り離したりするのではなく、常時つなぎっぱなしで内部で調整するタイプ。
それでなんらかの不具合でガスが抜けてしまった場合は、ベルトを切ってコンプレッサーを止めないと焼き付いてしまうことがある。ただ、一般のユーザーは知らないだけに、すぐに対処ができないのが問題。