この記事をまとめると
■FR派がFFを嫌う理由を考察
■乗用車として考えた場合はFFの方が車内を広く使えるなどメリットが多い
■走りの面に関しては、最近のFFはFRを凌ぐ場合もあるがタイヤの負担が大きい
FRからFFは改悪と言えるのだろうか
乗用車のスタンダードがFFになってもう随分久しい。
FRなんて、日産のスカイライン、フェアレディZ、トヨタのGRスープラ、GR86、スバルBRZ、マツダのロードスターなど数えるほどしかない。
あとはクラウンやレクサスISとか、日産フーガ、シーマもあるが、フーガ、シーマは今夏で生産終了……。
ずいぶん少数派になってしまったものだ。
でも、昔からのクルマ好きは後輪駆動車好きが多い。
古くはレビン・トレノがFRのAE86からFFのAE92になったときは悲しんだし、スターレットがKP61からEP71にモデルチェンジしたときも寂しかった。
ホンダからCR-Xが出たときは、これがミッドシップだったらと思った人も多かったし、いまでもシルビアやR34の25GTターボやR33のGTS25t、R32のGTS-t、そしてFD3SやRX-8、100系チェイサーなどの古いFRスポーツの中古車価格がどんどん高騰化してきているのも、アンチFF派が多い証左といえるだろう。
しかし、これだけFFが普及しているのには合理的な理由があるからで、FFは室内が広くとれるし、フロアも低く平らにできる。部品点数も少なくなるので、コストも下がるし、生産効率もいい。軽量化という点でも有利だ。
その反面、かつてFFはフロントヘビーでアンダーステアが強く、クセがあるといわれたが、ホンダのインテグラ タイプR(DC2)以降、最近でいえばスイフトスポーツまで、本格的なスポーツモデルならFFだって下手なFRよりもよく曲がる。
また、加速時に荷重がリヤに移動するという物理的な問題から、FFに大パワーのエンジンは載せられないとされてきたが、先代のシビックR(FK8)のように320馬力のターボエンジンもOKとなると、FFのビハインドが本当にあるのか疑わしくなってくる。