先進のヘッドライトシステムが軽にまで普及
が、最近、対向車のヘッドライトが眩しく感じることがあったりはしないか。それは、対向車を検知した際、ハイビームからロービームへの切り替えにタイムラグがあるからだったりする。LEDヘッドライトだとハイビームの眩しさはハンパじゃなく、下手をするとトラブルの原因になることだってあるうるのだ。
そんな悩みを解決してくれるのが、マトリックスLEDヘッドライト(アウディ)、アダプティブハイビームシステム(トヨタ)、アダプティブLEDヘッドライトシステム(日産)、アダプティブドライビングビーム(ホンダ)などと呼ばれる先進のヘッドライトシステムだ。
ヘッドライトの光源は複数のLEDで構成され、なんと頭のいいことに、先行車や対向車をカメラなどで検知するだけでなく、デフォルトのハイビームが照らしている照射範囲から、先行車や対向車の部分のみ投光しないように(光が直接当たらないように)、複数のLEDをコントロールしてくれるのである。トヨタのハイビームシステムの説明では「LEDの点灯・消灯を細やかに制御することで、先行車や対向車に光が当たる部分だけを自動的に遮光できるシステム」とある。
つまり、ロービームより遠くを照らし、安全性を高めてくれるハイビームを保持したままの走行頻度を高めつつ、先行車や対向車に迷惑をかけにくい、安全・安心なヘッドライトということだ。以前はオートライトより当然、コスト高となり、アウディのような輸入高級車や、国産車でもアルファードなどの高額車に用意されていた機能ではあったものの、現在ではトヨタ車ならヤリスクロスからノア&ヴォクシー、bZ4Xなどに搭載(車種によって一部グレード)。日産車なら軽自動車のルークス、サクラ、コンパクトカーのオーラ、ノート、ミニバンのセレナが対応車種となっている。
ただし、クルマのライトを検知する機能上、悪天候下、自転車やバイクなど、ライトの明るさが十分でない場合や、光を発しない歩行者などに対しては正しく作動せず、万能ではないもの事実(現時点。つまり眩しい!!)。とはいえ、道路運送車両法からすれば、これこそ理想に近いヘッドライトということになる!?