身近じゃないドライバーには結構恐怖の路面電車! 意外と知らない「併用軌道」のルールとは (2/2ページ)

観光や転居の際は自治体のHPを見ておくと良い

 なお、標識などによって併用軌道内の走行が認められているケースでも、路面電車が接近してきた場合にはすみやかに軌道の外に出るか、路面電車と十分な距離を保つことが条件となっている。

 第三十一条は、路面電車の乗降時に関する部分で、基本的には停車中の路面電車に追いついた場合は後方で待機していることが求められる。ただし、利用者のための安全地帯がある場合や乗降する人がいない場合は、1.5m以上の間隔をあけて徐行することで追い越しできるとされている。

 とまあ、道路交通法を見てもわかりづらいわけで、日常的に路面電車のある道を走っていないドライバーにとっては、上手に路面電車と共存する運転というのは難関といえるだろう。

 もし観光や転居で路面電車のある街をクルマで走るのであれば、そうした地域の自治体が出している注意喚起やパンフレットをチェックしておくといい。

 たとえば、万葉線の走る高岡市(富山県)のホームページにいくと、「万葉線からのおねがい」といったリーフレットをダウンロードすることができる。

 そこには路面電車のある道を走る際の交通ルールと交通マナーがまとめられている。

 主だったところを抜き出すと以下のようになっている。

1.右折・Uターン・追い越し等で軌道敷内に進入する時は、後方からの電車の確認と、充分な距離があるか、安全を必ず確認してください。(電車は急に止まれません。)

2.電車が接近している時は、電車が通過するまで白線の外側でお待ちください。

3.電車乗降のお客様が道路を横断される際には、一旦停止でお客様の安全確保に、ご協力をお願い致します。

 基本的には、路面電車とは距離を置いて、電車の運行をじゃましないことが大切だ。なにより重要なのは路面電車利用者(歩行者)の安全で、乗降時などはしっかり後方で停止して人身事故につながらないようにすることを大いに意識したい。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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