この記事をまとめると
■館ひろしさんの「オレ・タチ、カルタス」というキャッチフレーズで登場した初代カルタス
■1986年のマイナーチェンジを機にスポーツグレードとしてGT-iを追加
■1.3リッタークラスでは初となるDOHCヘッドの直4をターボで武装したホットモデルだ
イケメン俳優の親父ギャグがキャッチコピー
カルタスと聞いて、1980年代をクルマ好きで過ごした方ならば、誰もが思わず口にしてしてしまう「オレ・タチ、カルタス」のキャッチフレーズ。初代カルタスのイメージキャラクターを務めていた俳優の舘ひろしさんの名字にかけた、いまでいえば立派な親父ギャグだが、当時はタキシードで決めた舘さんが二の線で「オレ・タチ、カルタス」といえばクラクラしてしまう女子たち多数なテレビCMだったのではないかと思う。
当時の舘さんといえば、西部警察で黒いズズキ・カタナを駆る”ポッポ”こと鳩村刑事のイメージが強く、その流れでスズキのCMに出ているのかな、などと子ども心に思った記憶がある。でも正直に言えば、大衆車カルタスとポッポの組み合わせにはちょっと違和感もあって、1986年にGT-iなるスポーツグレードが登場した時にようやく「ポッポっぽい!」などと思ったものだ。
さて、そんなカルタスだが、もともと1981年に提携関係を結んだGMにもOEMで提供予定のリッターカーとして開発がスタートした車種で、1983年の10月に日本で発売となった。アメリカではシボレー・スプリント、オーストラリアではホールデン・バリーナとして販売され好評を博す。
ごく初期のCMには舘さんは出演しておらず、「ニューヨークのフットワーク」といったキャッチコピーとともにアメリカのフリーウェイを疾駆するカルタスの姿を映すなど、いまでいう経済性の高いグローバルカー感のアピールを主としていた。