1929年・1930年式ベントレーを新車で買える! 伝説的レースマシンのスピードシックスを当時の姿・性能で再生産 (2/2ページ)

限定12台は約2億4600万円からで全車完売

 さてベントレーは、そんな自身のレガシーを再現するための製作担当として指名したのがコーチビルダー部門であるマリナーだ。そしてマリナーは、1929年と1930年のレースカーのデザインに忠実な新しいスピードシックスを製作するために、まずはオリジナルの設計図とオリジナル車を詳細に分析し、完全な3D CADモデルをパソコン上に再現することから開始した。

 その際にマリナーがモデルとしたのが、1930年のル・マン24時間レースにエントリーした3台のスピードシックスのうちの1台として完璧な状態で保存されていた「オールドナンバー3」と、ベントレーのヘリテージコレクションの一部として保管されていた4シーターのヴァンデンプラボディの1929年式ロードカーだという。

 両車によって提供されたデザインデータやパフォーマンス、ハンドリングなどのデータは新車製作の参考となる貴重な情報源となったそうだ。

 すでにコンティニュエーションプロジェクトの第1弾として世界でもっとも有名なベントレーであるブロワーを復活させているマリナー。今回のコンティニュエーションプロジェクトの第2弾としてスピードシックスを復活させることは、オリジナルのスピードシックスの功績を称えるとともに、マリナーの技術の発展と保存を目的としたものとなる。

 92年ぶりに新車として復活するスピードシックスは、まずはこのプロジェクトの技術試験車両となるスピードシックス・カーゼロを今年後半に組み立ててコンティニュエーションプロジェクトファミリーの先達とした後、12台のスピードシックスを発売する。ちなみにそのプライスは1台150万ポンド(約2億4600万円)からとしているが、すべての車両はすでに予約済みとなっているそうだ。

 当時と同じ姿で同じパフォーマンスのスピードシックスを新車として手に入れることができる12人がうらやましい限りだ。


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