この記事をまとめると
■ベントレーが往年のレースカーであるスピードシックスを新たに生産することを発表
■当時の技術で作られたパーツで当時のパフォーマンスと姿を再現
■価格は約2億4600万円からで12台を限定発売、すでに全車予約済み
戦前のレースカーがコーチビルダー部門によって新車として蘇る
1920〜30年代のル・マン24時間レースで5回の優勝を記録したベントレーの活躍は、ベントレーのモータースポーツ活動における最大の功績としていまも語り継がれている。
そして、それを成し遂げたレースカーのひとつであるスピードシックスを、ベントレーが新車として現代に甦らせることを発表した。
これはブランドのレガシーをオマージュしたニューモデルを発売するのではなく、当時と同じ技術で作られたパーツで当時と同じ姿のモデルを再現するというコンティニュエーションプロジェクトの第2弾として製作されるもの。
ところで、ベントレー・スピードシックスがどんなクルマかというと、簡単にいえば1926年型のベントレー6.5リッターを高性能化して1928年に発売したモデル。
SUキャブレターのツイン化や高圧縮化、高性能カムシャフトなどの採用により、147馬力だった6.5リッター直6エンジンは180馬力までパワーアップされていた。さらにレーシングバージョンのスピードシックスでは、圧縮比を6.1:1まであげることで200馬力を実現。1929年と1930年のル・マン24時間レースをウルフ・バーナートとヘンリー・バーキン卿の運転により制している。
ちなみにバーキン卿は、それまでのベストラップを46秒縮める7分21秒の新記録を樹立するとともに、平均時速83マイル(約133km/h)と2844kmの走破距離記録も達成している。
つまり、スピードシックスは、世界最高水準の性能と、快適でラグジュアリーでありながら長距離を楽に移動することができるグランドツアラーとしての性能を世界にアピールしたクルマであり、ベントレーの歴史上でもっとも重要とされているクルマのひとつなのだ。