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パンクしても走れる「ランフラット」は魔法のタイヤじゃない! 安易な装着がオススメできないワケ (2/2ページ)

パンクしても走れる「ランフラット」は魔法のタイヤじゃない! 安易な装着がオススメできないワケ

この記事をまとめると

■パンクしても一定の距離を走ることができるランフラットタイヤが実用化されている

■ランフラットタイヤ装着車両は開発段階から重量や剛性を検証してセッティングされている

■適合車種以外にランフラットタイヤを履かせると乗り心地の悪化や運動性能の低下などのデメリットが考えられる

パンク対策のひとつとして実用化されたランフラットタイヤ

 タイヤには古くから4つの基本的役割があるといわれている。ひとつは「荷重を支える」。これは車体の重さを支える基本的機能だ。ふたつ目は「駆動力・制動力を伝える」。また3つ目として「操縦性・走行安定性」があり、4つ目は「路面からの衝撃を緩和する減衰性」だ。これらはクルマが走る、止まる、曲がる上で重要な機能であり、またクルマの耐久性や乗員の快適性を確保するうえで無視することができない基本性能といえるだろう。

 一方で、近年はタイヤに対する要求性能はますます高まり、重要視されるようになってきている。よくいわれることだが、クルマのパーツで地面に接しているのはタイヤだけ。はがき1枚程度の接地面積が4輪なら4箇所で接地しているのだが、どんなに高性能なエンジンやパワートレイン、サスペンションや空力を備えていても、このタイヤと地面の関係性が悪ければ意味を成さないわけだ。

 そこで、タイヤにはいくつもの性能が求められている。その理想像として「絶対に滑らない」「絶対に減らない」「絶対にパンクしない」「転がり抵抗がない」「軽い」という無理難題がタイヤには突きつけられているのだが、現代の技術でもすべてを達成することは不可能だ。

 そのなかで、パンクに関しては「パンクしても走れる」というレベルのランフラットタイヤが実用化を果たしている。

 パンクはタイヤのトレッドやサイドウォールなどに釘やネジなどの異物が突き刺さりエア抜けが生じて発生する。通常のタイヤではパンクするとタイヤが外径形状を維持できず、潰れて走行できなくなってしまう。

 無理に走行をし続けるとタイヤの変形の大きな部分が摩擦熱で引きちぎれてしまいバースト、修理不能な状態になってしまう。そこでドライバーは、パンクを感知したら直ちに減速し安全な場所に停止。スペアタイヤに交換するかパンク修理材により一時的な修復を試みなければならない。

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