この記事をまとめると
■世界的名車と同じ車名を名乗るクルマをピックアップ
■同じグレード名を名乗りながらもまったく面影がないモデルもあった
■海外で販売する際は敬意を評して車名を変えたケースもある
先輩がいるにも関わらず同じグレード名で市場に殴り込み
今でこそ「GT-R=日産の専売特許」になった感があるが、振り返ってみるとその名跡に対する挑戦なのか、GT-Rの名を濫用していたメーカーがある。
そう大トヨタである。
多くの方が思い出すのはGT-FOUR登場前、流面形セリカの愛称で親しまれた4代目セリカの最強グレードの名称で、BNR32登場までの間隙を縫ったわけだ。
しかし、そのほかにも1983年登場の8代目(7代目のFRコロナと併売)FFコロナ4ドアセダン、9代目コロナセダンのスポーツグレードにもGT-R名称を使っているのだ。
マツダはもう少しGT-Rの名称に重みを持たせて、WRC参戦を睨んで追加された7代目ファミリアの最強版にGT-Rのグレード名を冠する一方で、こともあろうか2代目RX-7(FC3S)のベースグレードにGT-Rの名を用いるあたりに、ハコスカGT-R神話を終焉に向かわせたロータリーパワーの優位性を匂わせているのかもしれない(考え過ぎか?)。
GT繋がりで言えば、熱心なアルフィスタ(アルファロメオファン)にとっては日産のGT-Rにも匹敵するGTAの名称を軽々しく使って顰蹙を買ったモデルがある。
アルファロメオで言うGTAは「Gran Turismo Alleggerita」の頭文字を取ったもので、Alleggeritaは軽量を意味する。
なのでアルファロメオのGTAと言えば軽量化が必須なセミコンペティションモデル(近代のアルファロメオはそうとは限らないが)で、わかりやすく言えばホンダのタイプRのようなものだ。
そのAの意味を何とオートマに挿げ替えたのが、ランエボVIIに設定されたGT-Aだ。GT-Aは5MTに比較してトルコンの耐性に考慮してエンジン出力を8馬力、トルクを4.0kg-mほど抑えたほか、車重も80kgほど重いなど、Alleggeritaには縁遠いクルマだった。
ちなみにホンダも何故か「R」のグレード名を初代シティの上級グレードに用いていたが、その上にターボやターボIIなどのパフォーマンスグレードも存在することになったので、Rには特別な意味合いを持たせていなかったのは意外なハナシ。