シートは全席ゆとりの空間で快適性はバッチリ
ところで、新型ステップワゴンのパッケージング、2/3列目席の居住性について説明すると、身長172cmの筆者基準で、1列目席頭上空間(シート上下調整最下端時)は、先代、新型ともに290mmと変わらず。2列目席頭上空間は、先代の290mmに対して新型は260mmと減少。が、ガッカリすることなかれ。260mmでも十分に余裕があり、しかもその理由が2列目キャプテンシートの座面の厚み増しによるものなのだ。つまり、より快適なクッション感で座れるということである。
2列目膝まわり空間はどうか。パッケージング的に1-3列目席の間隔は先代同様だが、前後スライドのみだった先代の最大360mmに対して、新型は中寄せロングスライドによって最大600mmもの膝まわり空間が得られ、足もとの広さで圧倒。スパーダ以上ならオットマンによってかなりリラックスした姿勢が取れるようになるのも新型ならではだ。
新型ステップワゴンがこだわったという3列目席は、乗降性からして向上。さすがにわくわくゲートはないため、新型はスライドドア側からしか乗降できないものの、アクセスするためのウォークイン幅は先代の350mmから400~460mmまで拡大。3列目席に着座すれば、頭上方向は先代の210mmから140mmに減少。しかし、これも3列目席の座面クッション厚UPが理由となり、かけ心地の向上に直結している。細かいことを言えば、3列目席に限り、スパーダ以上の合皮コンビシートよりエアーのファブリックシートのほうが、表皮のたわみ量が多いソフトなかけ心地になる。3列目席の膝まわり空間は、筆者が2列目席に座り、膝まわり空間を200mmにセットした時で、先代同様の240mm前後のゆとりがある。
が、それ以上に新型の3列目席が優秀なのは、クッション厚を増したこともあって、フロアからシート座面までの高さ=ヒール段差が先代の315mmから340mmまで高くなったこと(メーカー値+20mm)。結果、膝を抱えるような姿勢になりにくく(身長によるが筆者はOK)、着座性、立ち上がり性ともに良くなっているのだ。ただし、2列目キャプテンシートの下に靴先が入るスペースは、依然ない。足の延ばし加減に影響するため、ちょっと惜しい点ではある。
というわけで、6代目ステップワゴンは販売比率の高いe:HEVだけでなく、ガソリン車も大幅な進化を遂げていた。無塗装の樹脂リヤバンパーが独立して備わり、補修面で有利なのもエアーのほうなのである。なお、先代のように、AC100V/1500Wコンセントがオプションで選べるからHVモデルを選ぶ……という選択の仕方はなくなった。新型のe:HEVモデルにAC100V/1500Wコンセントの設定がないからである(泣。先代のオプション装着率が低かったため)。