量産型EVのパイオニア「リーフ」とは? (1/2ページ)
この記事をまとめると
■リーフは日産の電気自動車
■2010年に登場し、2017年に2代目となった
■現行型の進化の歴史やおすすめグレードなどについて解説する
現行型リーフの進化の歴史を振り返る
2010年に新世代EVとして華々しく登場した初代リーフ。量産型EVとして国内はもちろん、海外メーカーをリードし続けた初代の後を受け、2017年にデビューしたのが2代目リーフです。
先代と比べパワーユニットはトルクやパワーが大幅にアップした他、航続距離も400kmまで向上。日常使いはもちろん、ロングドライブ時での不安をなきものとしました。
初代登場から7年を経てデビューした2代目リーフがどう進化していったのかを見ていきましょう。
ロー&ワイドのダイナミックなプロポーション
まずはエクステリアから見ていきましょう。2代目リーフのエクステリアは「クール&テック」をテーマにEVならではの走りを感じることができるダイナミックなスタイリングを目指しました。
先代から10mm全高を下げるとともに全幅を20mm拡大したことでロー&ワイドに見えること、つまりスポーティーに見えるデザインを採用しています。全高だけでなくノーズも低くしたこともスポーティーな外観が強調されました。
初代にはないグリルを装着したことも2代目リーフの特徴といえるでしょう。そのグリルは他の日産車同様「Vモーショングリル」を採用。中央部に配されたブルーアクセントグリルやヘッドライトの形状と合わせ精悍なフォルムを身に纏いました。
インテリアデザインは「リラックスとクール&テック」をテーマに開発。インパネの骨格やドアトリムを初代から踏襲しつつも大きく変更しています。さらに質感が大きく向上したことも特徴といえるでしょう。
インパネはグラインディングウイング形状とし操作性向上とスタイリッシュさを両立しています。メータークラスターには7インチTFTディスプレイを装備。アドバンスドライブアシストディスプレイと名付けられた画面には、スイッチひとつで充電時間や安全装備の機能表示が行われます。
インパネ中央部には7インチタッチディスプレイを採用。ナビをはじめ、電力消費計や充電スポットなどが表示されます。
初代からの進化したパワーユニット
2代目リーフのプラットフォームとモーターは、先代から流用し改良を施したものを採用しています。ただ、キャビンの床下に搭載するバッテリーの容量は30kWから40kWへ容量をアップ。新開発したインバーターや制御技術を磨いたこと、さらに空力性能をCd値0.29から0.28と向上させたことにより航続距離を大幅に伸ばしています。
大きく向上した航続可能距離はJC08モードで400km。初代リーフが280kmことを考えると大きく進化したことがわかります。
さらにバッテリーの搭載量を62kWへ大容量化し2019年に追加された「リーフe+」はWLTCモードで458km(JC08モード570km)を実現しました。
先ほどもお伝えしたようにモーターは先代と同じEM57型を搭載していますが最高出力は従来比+30kWの110kW、最大トルクは+40Nmの320Nmと動力性能はかなり進化しました。この出力アップは新開発のインバーターによるものが大きく、冷却構造の変更による出力電流値が増大したことがパワーアップの理由です。
また、パワーユニットの出力制御にはアクセルペダルを緩めるだけで急減速が可能なe-POWER Driveを採用。スムーズな加減速をアクセルペダルだけで得ることができるようになりました。e-POWER Driveは2代目リーフ以前にノートe-POWERにも搭載されていましたが、油圧ブレーキと協調制御していたのは独自の機構でした。
この制御により滑りやすい路面では電動ブースターを併用し油圧ブレーキによる減速も追加されることで操縦安定性が高められています。筆者は雪道や凍結路で2代目リーフを走らせたことがありますがFFであるにもかかわらず、坂道をパワーロスせず、まるで4WDかと思わせるほどスムーズに登っていったことを覚えています。
ラゲッジスペースが大幅拡大
ボディサイズは先代と大きくは変わっていません。全長は+35mm(4480mm)、全幅は+20mm(1790mm)、全高は先代と比べ-10mm(1540mm)。全長の延長分はフロントオーバーハングによるもので、室内空間は拡大していません。
しかし、ホイールハウスの構造を変更したことでトランク容量は初代比+65Lの435Lとなりました。キャディバッグが1つしか積めないことでゴルファーから不評でしたが、2代目は9.5インチのゴルフバッグを2つ積載することが可能となりました。
またラゲッジルームは6対4の分割可動式の後席を前倒しすることで長尺物が積載可能。オプションでラゲッジアンダーボックスを装備することができます。
先進運転支援装置の採用で利便性が大幅アップ
初代リーフと2代目の大きな違いといえば日産自慢の先進運転支援システム「プロパイロット」が装備されていることもそのひとつ。
プロパイロットはフロントガラスに設置されたカメラが周囲を認識し、モーターやブレーキ、パワーステアリングを制御。高速道路などで車線維持支援&先行車追従オートクルーズをおこなう装備です。
同機能といえば走行中に貢献するだけでなく、車庫入れや縦列駐車を自動で行ってくれるプロパイロット・パーキングの搭載も大きなトピックスでした。
ステアリング操作の自動化に加え、アクセルとブレーキ、シフトとパーキングブレーキまで自動化したこの装備は、スイッチを押し続けるだけでリーフを駐車完了まで導いてくれる優れものです。