バブル期に出たクルマは世界の自動車メーカーを動かした
コスモをバブルのあで花と呼ぶなら、「セルシオ」は現代まで連綿と続きレクサス・ブランドの嚆矢だと呼ぶべきかと。
なにしろ、トヨタの本気120%という仕上がりにはメルセデス・ベンツが恐れおののき、「緊急対策会議」を開いたという噂も。静粛性や防振性能は、のちに自衛隊が潜水艦づくりのマスターピースとしたほどで、一介のクルマが軍需クラスにまで取り沙汰されるというのは現代でも考えられないようなテクノロジー。
また、見逃されがちではありますが、日産の油圧アダプティブダンパーという技術も当時としては銀河系レベルの出来栄え。高圧・高スピードの制御はインフィニティQ45をシルビアみたいにコントローラブルかつ、フラットな乗り心地にしてくれました。今のマセラティ・クアトロポルテと同じくらいノーズの入りが良かったのは、まさにお金のかかった足まわりのおかげにほかなりません。
さて、ここでご紹介したクルマたちは現在でも中古車市場に流通しているためか「今、買うか、買わないか」議論もそこそこあるようです。
個人的な意見ですが、ヘタなちょい古輸入車を買うくらいなら、バブルのフラッグシップカーを買った方がよほど幸せ! コスモのリッターあたり1キロとか2キロって燃費は「割り切り」で乗り切り!
ほかのクルマにしても、メカニカルトラブルだって所詮は国産車ですからどうにでもなる。
イヤなのはコスモのフルレザーインテリアがダメダメに劣化しているとか、セルシオのニコイチやサンコイチ(部品取りの事故車を何台か合体させたクルマ)を見抜けないことくらいでしょうか。
そう考えると、自慢の意味で「昔はよかったんだョ」とドヤ顔するのも悪くないアイディアでしょう。