この記事をまとめると
■海外で販売されているいすゞのSUVを紹介
■MU-Xとしてオーストラリアやタイなど海外で販売されている
■関係筋によると日本での販売は現状まったく考えていないとのことだ
いすゞ謹製の上級SUVの正体とは
1993年に小型乗用車の自社開発・生産を終了し、2002年にはSUVも含めたすべての乗用車の製造販売を終了し、日本国内では商用車の専門メーカーとして新たな出発を果たしたいすゞ自動車。そんないすゞ自動車ではあるが、じつは海の向こうではいまでも乗用モデルを製造販売しているのである。
それが、3列シートを備えたクロスオーバーSUVの「MU-X(ミューエックス)」だ。「MU(ミュー)」という名前は1989年にいすゞがリリースした2ドアタイプのSUVモデルや、その派生車種である5ドア版の「ミューウィザード」が存在していたことを記憶している人もいるかもしれない。
MU-Xについても、MUと同じくラダーフレームを備えた屈強なモデルで、いすゞはSUVではなく「PPV(Passenger Pickup Vehicle)」と呼称している。これはピックアップトラック派生の乗用車を意味しており、その名の通りベースとなったのはピックアップトラックの「D-MAX」なのだ。
現在販売されているMU-Xは2代目モデルとなり、2020年11月からタイを皮切りに世界各国で販売されているもの。
ボディサイズはランドクルーザープラドにほど近いもので、7人が乗車可能な3列シートが備わり、インパネ中央には大型ディスプレイが備わるなど、日本の高級SUVにも匹敵する高い質感の内装となっている。
装備の面でも充実しており、電動パーキングブレーキを採用してブレーキホールド機能が備わっていたり、電動リヤゲートが備わっていたりと充実したものとなっている。
搭載されるエンジンはいすゞ得意のディーゼルエンジンで、1.9リッターと3リッターのものを設定し、3リッターモデルでは140kW/450N・mという高出力を誇る。また、4WDモデルのほか、後輪駆動(FR)モデルが用意されるのも面白いところだろう。
タイやオーストラリアといった右ハンドル圏でも販売されているため、日本への導入も期待されるところだが、現在のところ日本導入の予定はまったくないそう。
そもそもMU-Xは日本で製造しているのではなくタイ製であることや、いすゞの販売サービス網が乗用車を扱っていた頃よりも大幅に縮小していることなど、さまざまな理由があるようだが、残念に感じる人も少なくないのではないだろうか。