あなどれないディーラー試乗! 短時間で短距離でも重要なチェック項目だらけだった (2/2ページ)

ライバル車との比較は時間を開けずに

 後退して行う車庫入れや縦列駐車も大切だ。この時には、後方の視界、小回りの利きなども確認できる。販売店の敷地内で試すと良い。

 試乗した時の感想は、どのような内容でも構わない。「何となく運転しやすい」「自分の体に合っていない気がする」といったことで良い。人間の感覚は意外に正確で、街中で「何だか頼りない」と思ったクルマは、高速域の危険回避でも操舵に対する反応が曖昧だったり、後輪の接地性が削がれやすいものだ。

 なお試乗する時は、時間をあまり開けずに、ライバル車もチェックする。たとえば午前と午後に分けて、N-BOX、スペーシア、タントを試乗すると、動力性能、安定性、乗り心地などの違いがわかりやすい。

 試乗した直後には、感じたことをメモに残しておく。そうすれば、ライバル車同士の違いも一層ハッキリとする。

 居住性や荷室のチェックには、展示車を使う方法もある。ミニバンなどは、シートアレンジなども含めて、確認する部分が多いから試乗時間も長引く。駐車時に可能なチェックは、展示車を使えば、セールスマンが寄り沿うこともないから気兼ねなく確認できる。平日の午前中なら、店内も空いている。

 ファミリーカーを買う時は、家族全員で試乗したい。ミニバンの3列目シートなどは、実際に座る家族に広さや乗り心地を確認してもらう。快適性の評価は、人によって異なるからだ。

 試乗が終わったら、家族全員でどのクルマを選ぶか話し合いたい。そのようにして購入したクルマなら、大切に長く使える。それはユーザーにも、クルマにも、環境にも優しいカーライフだ。クルマを選ぶ時から、大いに楽しんでください。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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