運転席に座るかそれとも後席でふんぞり返るか
このクラスでは燃費性能をそこまで気にするユーザーも多くないかもしれないが、カタログ上のWLTCモードの燃費性能は、センチュリーが12.4km/L、LS500hが13.6km/Lとなっており、AWDでありながらLS500hのほうが良好な数値となっている。
採用されているプラットフォームについては、センチュリーがNプラットフォームなのに対し、LS500hはTNGAの設計思想に基づいて生まれた最新のGA-Lプラットフォーム。2017年に登場したLS500hのほうが、2018年に登場した現行センチュリーよりも新しいものという逆転現象となっているのだ。
じつはこれ、明確な理由があり、現行センチュリーに採用されているパワートレインやプラットフォームは先代のレクサスLSをベースにセンチュリーに最適化されたものが使われているのだが、これは「センチュリーは何があってもトラブルが発生してはならない」という信念の元、すでに高い実績と信頼性を誇る従来型のものを採用したという経緯がある。
つまり、センチュリーとレクサスLS、どちらも高級セダンというジャンルで見れば同じ括りとなるが、目指すところはまったく異なっているということになり、単純な数値で見るスペックだけではその違いを計り知ることは難しいということなのだ。
そもそもレクサスLSはオーナードライバーも一定数いるが、センチュリーにおいてはオーナードライバーの数はごくわずか(新車の場合)であることからも、そのキャラクターの違いは一目瞭然と言えるだろう。