マイバッハ6は世界自動車産業の大変革を予言
メルセデス・ベンツは当時、CASE(ケース)という次世代事業戦略を掲げたばかりだった。CASEとは、通信によるコネクテッド、自動運転、シェアリングなどの新サービス、そして電動化が融合を意味する。マイバッハ6のボディスタイルは、そうした未来の世界観に加えて、2005年に登場したワンオフモデルのエクセレロを思い出すようなクラシカルな雰囲気が重ね合わさるように見えた。
ボディ寸法は、全長5700mm×全幅2100mm×全高1328mm。
駆動方式は、四輪駆動BEV(電気自動車)で、最大出力は550kW(750馬力)。搭載するリチウムイオン二次電池の容量は80kWhで、満充電での航続距離は500kmを想定。走行性能は、停止状態から時速100kmまで4秒以下で、最高速度は時速250kmとしていた。
インテリアは、最新のコネクテッド技術を最大限に有効利用するために、メルセデス・ベンツが新たにアメリカのシリコンバレーに設けたデザイン開発拠点が、新しい発想のHMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)を考案した。
マイバッハ6が登場してまもなく、日本でもトヨタをはじめとして次世代事業戦略の中核にCASEを謳うようになっていく。
こうした時代変化を今振り返ってみると、マイバッハ6は世界自動車産業の大変革を予言するような貴重な存在であったことを改めて認識する人が多いはずだ。