バブル期のネオクラシック車の価格が高騰中
このように新車の納期が伸びている対応策なのか、スポーティグレードが消滅しつつあることへのアンチテーゼなのか、中古車の価格上昇が激しいのも最近の自動車業界におけるトピックスのひとつだ。
とくに1980年代~1990年代のバブル期前後に生み出された国産車は、スポーツカーだろうが大衆車だろうが価格が高騰している。
かつてウン十万円で買えていた中古スポーツカーが、何百万円のプライスボードを掲げていることは珍しくなく、程度がいいものでは新車価格の数倍といえる1000万円級の価格になっていることもある。
スポーツカーでも4速ATのNAエンジン車では、ほとんど価値がないという時期を乗り越え、いまやネオクラシック車であればなんでも高値という時代になっているのだ。
正直、20年前には考えられなかった状況だ。もはや中古スポーツカーは、若者にも手が届く価格帯のクルマではなく、コレクターズアイテムといえる。
そもそも現在の若者はディーラーや中古車屋の店頭でクルマを見て買うような時代でもなくなっているのも、かつての常識からすると考えられない変化だ。
最近でいえば、日本に再上陸した韓国のヒョンデは電気自動車「アイオニック5」と燃料電池車「ネッソ」といったゼロエミッションビークルだけのラインアップで、その買い方もスマートフォンを利用するといったオンライン販売だけに絞っている。
トヨタの電気自動車bZ4Xについてもリアルでのキャンペーンは実施しているが、基本的にはオンラインでサブスクリプションサービス「KINTO」を使った契約のみとなっていて、所有することはできない。
電動化時代には愛車という概念はなくなり、クルマは借りるものになるということだろうか。