この記事をまとめると
■各メーカーがさまざまなOEM車をラインアップしている
■あえてOEM車を選ぶメリットはあるのだろうか?
■ベース車の方がいいケース、OEM車のほうがいいケースの双方が存在する
2002年に登場した日産モコはスズキMRワゴンのOEM
軽自動車に多いOEM車は、メーカーと販売会社の都合で用意されている。たとえばスバルやマツダの場合、以前は軽自動車を自社で開発・生産・販売していた。その後、合理化のために軽自動車の開発や生産から撤退したが、販売まで終了すると、顧客との関係が途切れて流出させてしまう。
とくに販売会社では、クルマを売るだけでなく、車検、修理、保険の取り扱いといったアフターサービスも大切だ。そこで軽自動車の生産を終えても、OEM車を導入して、ユーザーを繋ぎ止める。車種ラインアップの穴埋めを行うわけだ。
また日産は、以前は軽自動車を扱っていなかったが、「日産車ユーザーの22%がセカンドカーとして軽自動車を使っている」という調査結果を得た。そこで2002年に、スズキMRワゴンのOEM車を日産モコとして導入した。
それ以来、日産は軽自動車を手掛け、今は三菱と合弁会社のNMKVを設立して、共同で開発/生産を行っている。軽自動車は薄利多売の商品だから、大量に売る必要があり、日産と三菱が手を組んだ。
気になるのは、基本部分を共通化した姉妹車、あるいはOEM車の損得勘定だ。たとえばスズキのスペーシアは、マツダにフレアワゴンの名称で供給されている。機能や装備と価格は、両車とも基本的に共通だ。値引きは軽自動車だから、両車とも金額を増やすのは難しい。