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スバルBRZのカーボンニュートラル燃料車がレースで激走! ガソリン機関と変わらぬ感触に明るい未来を見た (2/2ページ)

スバルBRZのカーボンニュートラル燃料車がレースで激走! ガソリン機関と変わらぬ感触に明るい未来を見た

この記事をまとめると

■昨年より「スーパー耐久」シリーズに「ST-Q」クラスが設けられた

■このクラスは実験、開発車が想定されている

■今回はカーボンニュートラル燃料で参加を表明したスバルにスポットを当てた

カーボンニュートラル燃料は2つのタイプに分けられる

 モータースポーツは、よく先進技術の研究・開発の場と言われるが、現在の「スーパー耐久」シリーズには、まさにこのことを象徴する新クラスが存在している。ご存じの方も多いかと思うが、昨年から設けられた「ST-Q」クラスである。

 量産車を対象に、幅広い車両カテゴリーに応じている点がスーパー耐久シリーズの大きな特徴だが、昨年から市販量産車の範疇には含まれない、言ってみれば実験、開発車を想定したST-Qクラスが追加された。折しも、時代はカーボンニュートラルが声高に叫ばれる状態。運営側と自動車メーカーとの間で、いろいろな話し合いも持たれたことは想像に難くない。昨年、いきなりトヨタが水素燃料によるカローラ・スポーツを走らせてきたことは衝撃的だった。

 2年目を迎えた今年は、メーカーによる実験、開発の姿勢がさらに鮮明に表れるようになり、スーパー耐久シリーズの頂点に位置する「富士24時間レース」(6月3〜5日)に、各社が相次いで新時代を想定する車両を送り出しきた。水素燃料によるカローラH2コンセプトについては、すでに紹介したとおりだが、もうひとつ燃料によるカーボンニュートラルの試み「カーボンニュートラル燃料」車が、期せずして何台か参戦を果たしてきた。これらの車両について紹介してみたいと思う。

 さて、今シーズンの開幕直前に話題となったのが「カーボンニュートラル燃料」で参加を表明したスバルだった。BRZを使い、カーボンニュートラル燃料の可能性、有用性を探るための参戦プロジェクトである。このBRZのプロジェクトを、開発担当責任者であるスバル研究実験センターのセンター長である本井雅人氏に窺ってみたが、その前に、カーボンニュートラル燃料とは何か、について簡単に触れておきたい。

 まず、カーボンゼロではなくカーボンニュートラルという表現に留意したい。日本語訳すれば「炭素中立」(不自然な訳だが)と言い換えられる表記で、中立、すなわち相殺関係によるプラスマイナスゼロを意味する表現となっていることだ。

 このカーボンニュートラル燃料を大別すると2タイプに分けられる。ひとつはバイオ燃料系、もうひとつは合成燃料系で、バイオ燃料系については、さらにバイオエタノールとバイオディーゼルに分けられる。バイオエタノールは植物のデンプン質や糖質(主にセルロース)を原料とするエタノール、バイオディーゼルは廃食用油や植物油脂、動物油脂を原料として作られるメチルエステルが主体となり、合成燃料系は、水素と二酸化炭素の化学合成で作られたメタン、メタノールと考えてよいものだ。

 いずれも、それぞれの燃料を自動車用燃料として使用した場合、地球上に存在する二酸化炭素の絶対量が増えないことを特徴としている。たとえば、植物由来の燃料であれば、その植物が光合成によって大気中から吸収する二酸化炭素の量と、燃料として燃焼した場合に排出する二酸化炭素の量が相殺関係、プラスマイナスゼロと見なせるため、カーボンニュートラルという考え方が成立することになる。

 さて、スバルが取り組むカーボンニュートラル燃料車は、2.4リッターエンジンを搭載するBRZだ。開発責任者の本井氏によれば、トヨタからカーボンニュートラル燃料に取り組んでみないか、という誘いがあり、先進技術の研究・開発、若手エンジニアの人材育成の観点から、スーパー耐久シリーズへの参戦を決めたという。

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