1000馬力でも2000馬力でも電動車なら税金は格安
同様に電動化+ダウンサイジング過給エンジンという構成のパワートレインとなるスーパースポーツは、自動車税がイメージよりも安くなる傾向にある。
たとえばケーニグセグの「ジェメーラ」のパワートレインは、2リッター3気筒ツインターボエンジン+3基の駆動用モーターというもので、システムの合計出力は1700馬力を発生するという。4WD・4WS・トルクベクタリングというテクノロジーを満載することで、そのパワーを制御するというアプローチも現代的だ。
そんなジェメーラの自動車税は、2リッターというエンジン排気量によって定められるので、年額3万6000円で済む。パワー的には6リッター超の11万円でもおかしくないほどだが、こうした現象が起きるのも電動化時代ゆえだろう。
もう1台、世界中の超富裕層から販売開始が待ち焦がれられているのが、F1直系のパワートレインを積むというスーパースポーツ、メルセデスAMG Oneだ。完全にF1直系といえるV6エンジンの排気量は、F1と同じ1.6リッター。そこに4基のモーターを組み合わせた電動4WD仕様というのが、噂されるメルセデスAMG Oneのパワートレイン構成だ。
その最高出力は1000馬力オーバーとなることは確実だが、それでも排気量からすると自動車税は年額3万6000円である。
もっとも、こうしたハイブリッドパワートレインのスーパースポーツは、安いとはいえ自動車税が課せられるが、電気自動車やプラグインハイブリッドといったZEV(ゼロエミッションビークス)については、初回新規登録及び翌年度から5年度分を課税免除にするという促進税制が実施されている(平成21年度~令和7年度に登録されたもの)。
つまり、いまスーパースポーツといえるパフォーマンスを持つEVを新車で購入すると、5年間は自動車税が免除される。たとえば、最高出力390kW(約530馬力)を誇るアウディe-tron GTのメーカー希望小売価格は1399万円だが、5年間は自動車税が免除なのだ。
というわけで、電気自動車もしくはプラグインハイブリッドのスーパースポーツであれば節税しながらハイパフォーマンスが楽しめるのだ。
なお、電気自動車については排気量ゼロということで、自動車税をかけるとしても1リッター以下と同じ2万5000円の税率となっている。5年間で特例が終わっても税負担は最小限で済むのである。