電気だけが答えじゃない! 水素エンジン&バイオ燃料車に一気乗りしたら想像以上に「普通」で驚いた (2/2ページ)

スバル、マツダもニュートラル燃料車で自然なフィーリングを実現

 次に筆者が試乗したのが、BRZのカーボンニュートラル燃料車で、比較対象としてガソリン車にも試乗してみたのだが、これもまた驚きの体験だった。というのも、BRZのカーボンニュートラル燃料車とガソリン車を乗り比べてみたのだが、まったく違いがわからない状態。

 いや、トヨタの記者発表会でカーボンニュートラル燃料の値段が「リッターあたり、1桁は違う」と聞いていたことから、そのプラシーボ効果なのだろうか。筆者はちょっとだけ、カーボンニュートラル燃料車の吹き上がりが気持ちよく感じたのだが、それを指摘したらスバルのエンジニアに苦笑いされたので、ここだけの秘密にしておこう。

 そして最後に筆者が試乗したのが、CX-5のバイオデーゼル燃料車で、MAZDA 2 Bio conceptにも使用されているユーグレナ社のサステオを約20%採用。マツダのエンジニアによれば「サステオが100%だとノッキングが出てしまうので、レーシングカーではそれに合わせたチューニングを行なっていますが、今回はそれができないので20%に落としました」とのことだ。こちらも比較対象としてガソリン車にも試乗したのだが、その直後でも「?」と思うほどで、まったく違いがわからなかった。

 いや、正確には「サステオは1リッターで1万円」と聞いていたので、その高級燃料がまたしても筆者の脳内でプラシーボ効果を発揮したのだろう。不覚にもバイオディーゼル燃料車のほうが軽い吹き上がりに思えたのだが、こちらもマツダのエンジニアに失笑されたので、ここだけの秘密だ。

 カーボンニュートラル燃料車もバイオディーゼル燃料車も同じフィーリングで、各メーカーの担当者も違いがわからないという。逆に言えば、今回の試乗車のように燃料を入れ替えるだけで、カーボンニュートラルに繋がるのはお手軽な方法である。課題はカーボンニュートラル燃料にしても、バイオディーゼル燃料にしても「価格」となるが、ユーグレナ社のサステオは大量生産で1リッターあたり200円前後まで引き下がる見通しを持っているだけに、価格がガソリンと同等になってくれば、カーボンニュートラル燃料車&バイオディーゼル燃料車も脱炭素ビークルの主流になりえることだろう。


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

愛車
スバル・フォレスター
趣味
登山
好きな有名人
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