スタイルより車内空間重視の思考へと変わった
3)日産S13シルビア「人目をはばかるステルスデート向け」
デートカーとしては前の2台に隠れている印象ですが、これは後に走り屋御用達マシンとなったことが影響しているかと。
ソアラやプレリュードに負けじと、じつはニッサン肝いりの開発で、上質なエンジンやシャシー、おまけにデザインアワードまで獲得したスタイルなど、デートカーとしては真面目な生い立ち。
女のことしか頭にない若造にはもったいないくらいです。また、兄弟車の180SXだって今見てもうっとりするようなボディラインで、パリのフォーブル・サントノレあたりでも似合いそう!
なのにデートカー界では影が薄いというね。
なるほど、デートはデートでも世を忍ぶ不倫向けか!? 合コンとかでさりげなく一番いい女を連れて帰るタイプなんかも似合いそう。
4)BMW 3シリーズ「どんとこい! 良家の子女でも遊び人でも」
かつて「六本木のカローラ」と呼ばれ、繁華街で石を投げればBMW 3シリーズに当たるほどはびこっていた輸入デートカーの大横綱。それでも、当時はお値段もよかったので「良家の子女」なんて響きのいい女子も乗ってました。
そのわりに「ビーエムで迎えに行くからさ」で大喜びする女子は良家とは真逆なタイプ、すなわち遊んでる子が多かったと証言する方も少なくありません。
現行3シリーズでもそういった傾向があるかはわかりませんが、BMWでデートするなら1でも2でもなく、やっぱり3シリーズがピッタリくる気がしてなりません。これこそ六本木カローラ時代からの刷り込み効果!
なので、六本木で遊びまくっていた(いる)女子には効き目バツグンではないでしょうか。
5)ホンダS-MX「ハッキリクッキリやる気を示したい若者向け」
1995年の東京モーターショーに出品された時からS-MXはそのまぎらわしいスペルから「車中泊できるデートカー」と認識されていたようです。
だって、ベンチシート、コラムシフトという密着インテリアに加え、フルフラット化や枕となるヘッドレスト付近にはティッシュケースにピッタリな物入ときたら、こりゃ確信犯としか思えません。
ちなみに、夜の営みにいろいろなギアを使う趣味・嗜好の方には兄貴分の初代ステップワゴンがおすすめ。なんといっても、シート下や車内後部にいろいろ道具が仕込めますからね。
それにしても、ここまで露骨にデートカーを作られてしまうと、逆に白けてしまう方もいるかもしれません。やはりS-MXは血気盛んな種馬青年あたりがお似合いかと。
6:初代トヨタbB「カスタムでデートの可能性∞」
S-MXとは時代もコンセプトも違うっちゃ違うのですが、「車中泊」を想起させてくれるパッケージングには一脈通じるものがありそう。
いわゆるトールボーイなデザインなので、就寝中のポージングにも可能性が広がるようです。フロントシートが沈み込んで、外から覗かれにくい機能など、まさにそれ狙いか。
もっとも、この手はオーディオのカスタムもデートには有効でしょう。
実際、2代目ではオーディオの設定にイルミネーションも加わって「パリピ」っぽくなりましたからね。クラブで「Hey Yo! これからふたりっきりのクラブでアガろうよ」などと誘い文句まで浮かびます。
前出のソアラやプレリュードと違った雰囲気ながらも、デートカーの鉄則「まったり感」には不自由しなさそう。
さて、ここまでのところいずれが最強のデートカーなのでしょう。
一説によれば、ヒトは75センチの距離に隣り合わせると親近感が増すらしいので、やはりベンチシートのS-MX? はたまた、六本木DNAに満ちたビーエムのクリーンな魅力で勝負というのもアリでしょう。
ところで、ジャガーの創始者たるサー・ウィリアムズ・ライオンは、XKサルーン開発時にこんなこと言ったそうです。
「ドアハンドルの設計は慎重に。レディのネイルが傷つくようなものは決して作るな」
デートカーの根底にはこうした「スケベ根性」が欠かせない要素だと気づかされるエピソード。
ともかくは、ぜひアナタだけのデートカーを見つけ出し、ステキなドライブデートを楽しんでくださいませ。