こうして注目を集めるなか、富士24時間レースでデビューを果たした2台のNissan Z Racing Conceptだが、気になるCNFモデルについて230号車のステアリングを握る松田は「シャシーもエンジンも基本的に市販ベースですが、十分に楽しいクルマに仕上がっていますし、エンジンもガソリン車とまったく変わらない。言われなければカーボンニュートラル燃料とわからないほどで、タイムも遜色のない状態です。今のクルマもカーボンニュートラル燃料で走れるようになればいいのかなぁ……と思います」とインプレッション。さらに今大会の参戦についても「自動車メーカーがCNF車両でレースに参戦することは大きな一歩だと思います。EVもすごく大事ですけど、僕を含めてエンジンサウンドが好きな人のためにもCNF車両の開発を続けていってもらいたい」と想いを語る。
まさにGT-R、Zなど日産のスポーツカーファンにとって2台のNissan Z Racing Conceptは注目の存在だが、その期待に答えるように予選から好タイムを連発。残念ながらコースアウトを喫した244号車は最下位となったものの、230号車が総合14位/ST-Qクラス2位を獲得した。
しかし、決勝では予選で出遅れた244号車が安定した走りを披露している。その結果、707周を重ねた244号車がクラス2位に入賞し、Nissan Z Racing Conceptのデビュー戦で表彰台を獲得。一方、予選で好タイムを見せていた230号車はエンジントラブルに祟られて後退したものの、それでもマシン修復後は好タイムを重ねており、粘りの走りにより502周でチェッカー、クラス5位で完走を果たした。
なお、CNFを使用したNISMOの230号車は今大会のみの参戦となるようだが、ガソリンを使用したMax Racingの244号車は今後もスーパー耐久への参戦を継続する予定となっているだけに、今後もNissan Z Racing Conceptの動向に注目したい。