グレードマウントはもはや時代じゃない!? クルマの「実質モノグレード化」が進んでいるワケ (1/2ページ)

この記事をまとめると

■昔は多くのグレードを用意するクルマが多かった

■しかしいまではモノグレード化が進んでいる

■複数グレードを用意していても装備差は少ないモデルが多い

いまのクルマは「モノグレード化」が進んでいる

 過去、日本車の多くには、装備差で上下関係のはっきりした“グレード”が存在していた。しかし、最近の新車をみるとモノグレード(単一グレード)構成であったり、グレード“みたい”なものはあるが、装備差というよりはキャラクターの違いで構成されるケースが目立っている。それでもまだ装備差のついたグレードを構成するモデルもあるが……。

 日産ノートでは上からX、S、Fという3グレード構成となっているが、いま日産の新車ならば是非装着したい“プロパイロット”は最上級グレードのXでしか選ぶことができず(オプション選択可能)、SやFではオプションでさえも選択することができないので、事実上Xしか選択肢はないともいわれている。

 またトヨタ・アクアでは上からZ、G、X、Bの4グレード構成となるが、BとXはヘッドレスト一体型シートを採用するなど、レンタカーなどのフリート販売仕様色が強い。Gでは標準装備はまずまずのレベルとなっており、さらに豊富なオプションを用意し装備を増やすことができるが、販売現場では「Gでオプションつけるなら、標準装備の多いXが買い得ですよ」と言われ、事実最上級グレードがよく売れているとも聞いている。ノアやヴォクシーでも装備を見ていくと、やはり装備などの関係から上級のS-Zが選ばれやすくなっている。

 また、そのほかのグレードを持つ車種でも、残価設定ローンの普及により最上級グレードを選ぶ人が増えているようであるが、例外なのはアルファード。売れ筋は特別仕様車S“TYPE GOLD Ⅲ”もしくは、SCパッケージとなっており、最上級のエグゼクティブラウンジはシリーズ内でも目立って値落ちが早いとされている。中古車では飛行機のファーストクラスのようなセカンドシートまで装備を必要としていない人も多いようだ。

 グレードというものが形骸化し、選ばれる仕様が上級グレードで“決め打ち”になることが顕著ともいえる現在だが、いまから40年ほど前には装備差を顕著にした厳しい上下関係を持つ多彩なグレードが存在していた。

 たとえば1979年にデビューした、4代目トヨタ・カローラセダンを見てみよう。最廉価からスタンダード、カスタムDX、DX、GL、SEとなり、この上にさらにGTグレードがラインアップされていた。

 スタンダードはエアコン(当時は全車オプション)をはじめ、AMラジオもトランクマットもなく、フロアはカーペットではなくビニールなど簡素そのものとなっていた。そこから段々装備が増えていくのだが、GLになるとシート生地はそれまでのビニールレザーからファブリックとなると同時にヘッドレストが分割式となり、三針式時計、間欠ワイパー(一部)などが装備されGLが“お買い得グレード”となった。それより上級のSEになるとタコメーターや透過式メーター照明、ウッドステアリング、本木シフトレバーなどが装備され見た目ではGLに大差をつけていた。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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2019年式トヨタ・カローラ セダン S
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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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