乗ればスクリーンに飛び込んだ気分! ムービースター感が味わえる「名画」の「名車」5選 (2/2ページ)

主人公気分を味わえるだけでなく乗ってても楽しい

 3台目は、映画『ミニミニ大作戦』の主人公のように、一攫千金を狙って強盗を企てるギャングの気分になれる(?)新旧のMINI。とくに、赤、青、白のボディカラーにリボンストライプをあしらったデザインなら、雰囲気満点です。

 この映画『ミニミニ大作戦』は、まず1969年にマイケル・ケイン主演で公開され、3台のクラシックMINI(MK-1)と、イタリア警察カラーのアルファロメオ・ジュリアが壮絶なカーチェイスを繰り広げるシーンが大きな話題に。階段だって屋上だって、どこでもビュンビュンと駆け抜けて行ってしまうMINIは、もう圧巻のひと言です。

 そして2003年には、BMWが手がけるようになった新生MINIを主役に、ハリウッド映画としてリメイク。こちらも元気いっぱいに街中を駆け巡る、ダイナミックなMINIのカーアクションがお腹いっぱい観られます。初代3ドアモデルのクーパーSで、ボンネットにはリボンストライプをあしらえば、気分もアガります。

 4台目は、数々の映画で意外にも頼もしく走る姿が描かれ、「ギャップ萌え」してしまうことの多い、シトロエン・2CV。三谷幸喜さんの映画『ザ・マジックアワー』でも、ワケありな集団がホテルに乗り付けるシーンに使われていて、ちょっとカッコいいんですよね。

 もともとは、紳士がシルクハットを被ったままでも乗車しやすいようにと、天井の高いユニークなスタイリングになったと言われている2CV。昔の2気筒エンジンなので非力だし、タイヤも小さくて細いのですが、どんなチューニングをしたのか、とんでもないハードな走りで逃走するシーンが話題となったのが、1981年に公開された映画『007/ユア・アイズ・オンリー』でした。

 ほっこりするようなたまご色のボディと、無表情で淡々と運転し続ける相棒の女性のギャップもさすがの演出。ぜひこんなふうに2CVを涼しい顔してドライブしてみたいものです。

 さて5台目は、プジョーといえば、愉快痛快で観ているコチラまでぶっ飛ばしたくなってきてしまう映画『タクシー』に登場する406が思い浮かびますが、じつはリュック・ベッソン監督の出世作となったと言われている『サブウェイ』には、ホットハッチの火付け役となった205GTIがパリの街を疾走するシーンが描かれています。

 威圧感バリバリのメルセデス・ベンツ500SELの追跡をかわしながら、狭い路地をものともせずヒラリヒラリと駆け抜けていく205GTIは、かなりシビレるかっこよさ。日本には1989年から205が輸入されていて、GTIは1.9リッターモデル。205はほかに1.4リッターと1.6リッターモデルもあって、1.4リッターとGTIは5速MTでした。今のコンパクトカーのように安全装備もろくにないし、パワーも小さいけれど、少ないパワーををめいっぱい使って走る楽しさは、この頃のモデルじゃないと味わえないものかもしれないですね。

 ということで、乗った瞬間から映画の主人公気分になれること間違いナシ、という欧州コンパクトカーたちをご紹介しました。映画をご覧になったことがない方は、ぜひチェックしてみてくださいね。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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