徹底した軽量化でパワーウエイトレシオは1.34kg/ps
エクステリアデザインは、よりエアロダイナミクスを考慮したものに熟成され、ボディサイドのエアインテークやリヤまわりのスポイラー、デフューザーが、その高性能ぶりを想像させる。同時にロードカーとしての扱いやすさが外観から感じられるのも、このヴェノムF5の大きな特長である。
リヤミッドに搭載されるエンジンは、「Fury」と呼ばれる6.6リッターのV型8気筒ツインターボ。驚異的なのはその重量で、鋳鉄製のブロックやアルミニウム製のヘッド、エンジン内部の構成部品にはアルミニウムやチタン、インコネルなどの軽量素材が用いられている。結果、得られたエンジン重量は280kg。
最高出力は1817馬力と発表されているから、注目のパワーウエイトレシオは1.34kg/psという数字になる。ミッションはリカルド製の6速MT、駆動方式はもちろんRWDだ。
ヘネシーはこのスペックで、0-100km/h加速で3秒以内、0-200km/h加速では5秒以内のタイムを実現。そして最終的な最高速は、ヴェノムGTでのギネス記録挑戦の時がそうであったように、双方向走行の平均記録で500km/hオーバーを狙うというのだ。
ドライバーは、レーシングドライバーとして数々の栄誉に輝き、GMのテストドライバーとしてのキャリアも持つジョン・ハインリシー。彼は、これまでヴェノムF5のドライビング・ダイナミクスを最適化するためのテストドライバーとして、ヘネシーとともにF5の開発に携わってきた。最高速500km/hへのトライは、まさにその集大成ともいえるべきものでもあるのだろう。
ヴェノムF5の最高速テストはフロリダ州のNASAスペースシャトル発射施設、「ジョン・F・ケネディ宇宙センター」において行われる予定。ちなみにヴェノムF5は24台の限定車で、価格は210万ドルからという設定だったが、すでにその全車は完売している。
昨年創立30周年を迎えたヘネシーというブランドは、ハイパーカーの世界においてはまだまだ新しく、そして確かに魅力的な存在なのかもしれない。