タイヤもホイールもまん丸じゃない! 新品タイヤを買うと必ず行う「バランス取り」って何? (2/2ページ)

一流のプロに頼むのがおすすめ

 バランス取りは、専用のホイールバランサーにホイールに組んだタイヤをセットし、高速でタイヤを回転させ、重量的にアンバランスな部分を機械的に測定し、そこに小さな鉛のバランスウエイトを貼り付けることで、重量バランスを整える作業。バランスウエイトの重さは、数10グラム程度だが、この重さが走りを大きく左右するのでないがしろにできない。

 さらに、ここまではホイールバランサーさえあれば、ショップごとの技術力にそれほど大きな差は現れないが、前述のとおり、ゴムでできているタイヤは、重量だけでなく、形にも微妙なバラつきがある。

 したがって、重量バランスはバランスウエイトを貼ることで解消できても、真円度と均一度の問題から、回転時に縦方向と横方向にバイブレーションが出て、ハンドルがぶれることも少なくない。

 腕のいい職人は、バランスウエイトの大小(重軽)よりも、この真円度を優先し、縦ブレ、横ブレが大きいときは、タイヤとホイールの位置をずらして、より真円・均一になるよう、位相合せ(マッチング)という補正作業も行なってくれる。

 これが上手に決まったタイヤは、バランサーにかけ、高回転で回してもトレッド表面が波打たずきれいにまわり、クルマに装着してもコロコロと気持ちよく回ってくれる。

 またタイヤがきれいに回ることで、接地面がきれいに当たり、グリップ力も最大限引き出せるので快適で安心。

 というわけで、タイヤの銘柄やホイールのブランドにこだわるのなら、タイヤの組み付け作業の質にもこだわらないと宝の持ち腐れになりかねない。

 工賃の安さだけで比較せず、タイヤ職人の技術力にも注目して、一流のプロを探して組んでもらうことをおすすめする。

 また、加速と減速を繰り返しているうちに、リムずれが起きてきたり、摩耗が進むとホイールバランスも変わってくるので、1万kmごとにホイールバランスを再点検、再調整するのが理想的だ。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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