この記事をまとめると
■ミニバンのなかでも車中泊が難しいモデルをピックアップ
■2列シート仕様が選べる場合は、車中泊を考えているならそちらを選んだ方がいい
■車中泊を考えている場合は、シートの構造や車内空間の広さを実車で確認することが大切だ
楽勝そうに見えて大後悔! 車中泊ができそうでできないクルマとは
ここ最近のアウトドアブーム、車中泊ブームを受けて、その入門用のクルマに注目が集まっている。キャンピングカーやハイエースのようなクルマではなく、普段は乗用車として街乗りなどに使える乗用車のことである。最適なのはもちろん、Mクラスボックス型ミニバンであり、ノア&ヴォクシー、ステップワゴン、セレナなどが適しているが、もっと小さく廉価なコンパクトカーで、車中泊に向いているクルマを探している人も少なくないはず。
が、ここでは、一見、車中泊に向いているようでも、じつはそうでもない、”できないことはない”レベルのコンパクトなクルマをあえて紹介したい。
その筆頭が、5ナンバーサイズのコンパクトミニバンのシエンタ、フリードだ。車中泊をしている際、筆者の考え方として、何かあった時にすぐにクルマを移動できる”安心”が必要という条件があるのだが、その点で、シートのフルフラット化、ベッド化は1-2列ではなく、2-3列目席がベストだと思っている。
が、車中泊に向いているように思えるミニバンでも、シエンタ、フリードの3列シートモデルの場合、運転席をそのままに、2-3列目席をフラット化しようとしても、ノア&ヴォクシーやステップワゴンのように3列目席のシートバックを水平に倒すことは、クルマの全長、室内長の関係で不可能(ベッド長は2m+に達する)。シートバックに角度が付き、介護用ベッドで上半身を少し立てたようなベッド面になってしまう。
フリードでは、2列目席の居心地、シートのかけ心地がよりリッチになるキャプテンシートを選んでしまうと、左右2列目席の間に空間ができるのも考えモノだ。
よって、フリード、シエンタのサイズのクルマを選ぶなら、3列目席のない大容量ワゴンと呼べるフリード+、シエンタFUNBASEを選ぶべきと考える。であれば、2列目席~広大なラゲッジスペース部分を完全フラットにアレンジ可能で、フリード+なら最大ベッド長1890mm、シエンタFUNBASEであれば最大ベッド長1620mmが確保できるのだ。フリードの例では、「ラゲッジクッションマット」という難燃性、耐久性に優れた長さ1800mm、幅1230mm、クッション厚30mmの純正アクセサリーも用意されているのだが、フリード用ではなくフリード+専用としているあたりも、車中泊適性として、2列シートモデルが大きく上まわる証明ではないだろうか。