この記事をまとめると
■軽量化を極めたスペシャルモデルを紹介
■クルマの世界では「軽さは正義」とまで言われている
■日本にもいま新車で買える軽量化モデルがある
クルマの軽量化は速さに1番効くと言われている
クルマの運動性能において「軽さは正義」とよく言われる。たしかに軽量であればブレーキもよく利くので、コーナー進入時のブレーキングポイントを遅くでき、ライバルに先行できるし、加速性能も鋭くなる。コーナリングにおいても軽ければ横Gによる遠心力が小さくなるため、旋回速度を速められるというわけだ。
ある程度の重量があったほうが悪路でのトラクションを確保しやすく、乗り心地では有利なこともあるのも事実だが、ことスポーツ性能において「軽さは正義」なのは間違いない。そのためにスポーツカーは、アルミやカーボンといった軽量な素材を使っていることが多い。
さらに、スポーツカーのなかには標準モデルに対して、装備を省いたり、素材置換したりするなどして「軽さは正義」を追求したスペシャルモデルが存在している。
ここでは日独伊仏4か国を代表するブランドから、そうした超軽量バージョンのスポーツカーを紹介しよう。
まずはドイツ代表。ドイツのスポーツカー・ブランドといえばポルシェが思い浮かぶだろうし、ポルシェ911には多くのライトウェイトバージョンが存在しているが、あえてBMWのモデルを紹介したい。
それが2022年5月20日にドイツ本国で発表されたばかりの「BMW M4 CSL」だ。CSLというのは「Competition, Sport, Lightweight」に由来するもので、1970年代のツーリングカーレースで一世を風靡した「BMW 3.0 CSL」のイメージが強いというオールドファンも少なくないだろう。また、その名前は2003年の「BMW M3 CSL」で復活したことを覚えているかもしれない。
最新のM4 CSLはベースグレードに対して装備の省略や材料置換によって約100kgの軽量化を果たしているという。軽量化の主な手法として次のように発表されている。
カーボンフルバケットシートの採用:24kg減
リヤシートの取り外しやラゲッジの変更:21kg減
カーボンブレーキやホイールの軽量化:21kg減
防音材の省略や超軽量断熱材の採用:15kg減
CFRPルーフ/ボンネット/トランクリッド:11kg減
チタン製サイレンサーの採用:4kg減
BMW Mモデル専用といえる3リッター直列6気筒ターボエンジンも、過給圧を1.7barから2.1barに引き上げるなどして最高出力405kW(550馬力)を発生するようスープアップされている。
もちろん、ボディ剛性アップやサスペンションの引き締めなどコンペティションシーンを意識してシャシーもパフォーマンスアップされているのだ。
さらに、ドライブモードについてもサーキット走行を意識して進化しているというのも、最新の軽量スポーツバージョンらしいところといえるだろう。