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ルノー4CV・オースチンA40・VWサンタナを日本で生産!? メーカーにとって諸刃の剣だった「ノックダウン生産」とは (1/2ページ)

ルノー4CV・オースチンA40・VWサンタナを日本で生産!? メーカーにとって諸刃の剣だった「ノックダウン生産」とは

この記事をまとめると

■ノックダウン生産という生産方式を解説

■効率よく生産体制を整えてノウハウを吸収することが可能だった

■ノックダウン生産で得たノウハウがメーカーのその後の運命を左右する場合もある

「ノックダウン生産」で自国の自動車産業を効率よく強化できた

 自動車産業に関わっていると「ノックダウン生産」という言葉を目にすることは少なくない。昨今のノックダウン生産というのは、完成車の関税が高い国などにおいて、部品として輸出して、現地で組み立てるという生産方式を指すことが多い。

 このように単純な関税対策であることもあれば、将来的には完全な生産工場として成立させるための最初の段階としてノックダウン生産を利用することもある。規模によっては、完成車よりも部品単位にしたほうが輸送代を抑えることができるというメリットもある。

 たとえば、日本において最初期の自動車生産工場として1925年(大正14年)にフォードが横浜の東京湾沿いに建てた工場が知られているが、それはいわゆるT型フォードの部品を輸入して日本で組み立てるというノックダウン生産をするための工場だった。余談だが、その跡地は、後にフォード傘下となったマツダの土地となり、マツダR&Dセンター横浜となっている。

 さて、日本においてノックダウン生産が盛んに行われていたのが1950年代だ。欧米に対してかなり遅れていた日本の自動車産業を成長させるために、国策的に海外メーカーと提携し、ノックダウン生産を受託することで自動車生産のノウハウを得ようという動きがあった。

 名乗りを上げたのは、日産、日野、いすゞの3社だ。日産は英国系のオースチンA40を、日野はフランスのルノーと組んで4CVを、いすゞは英国系のヒルマン・ミンクスのノックダウン生産を開始した。

 直列OHV・748ccエンジンをリヤに搭載した4CVは「日野ルノー」という名前で販売され、タクシーなどフリートユーザーからも高く評価されたという。それほど信頼性のあるモデルであり、ノックダウン生産は日本で受け入れられたのだ。

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