サイドシルの下に外したタイヤを入れておくと安心
そのパンタジャッキの使い方についても触れておこう。
車載のパンタジャッキは、ラゲッジサイドボックスかトランクの床下に格納されている場合が多い。
ジャッキを使うときは、平坦な硬い地面にクルマを止め、ジャッキをかける位置と対角線上にあるタイヤに輪止めをする。
エンジンを止めて、人や荷物をクルマから降ろし、指定されたジャッキポイントに正しくジャッキを合せる。
ジャッキを手で回し、荷受け(ジャッキの溝)がジャッキアップポイントの中央に入るまで上げ、タイヤが接地しているうちにホイールナットをゆるめる。
ナットがゆるんだら、ジャッキにジャッキハンドルバーとジャッキハンドルをセットし、ゆっくり回して車体を上げる(必要以上の高さまで車両をジャッキアップしない)。
タイヤが浮いたら、ホイールナットを取り外し、タイヤを取り外す。
走行直後だと、ナットやホイール、ブレーキが熱を持っているので、やけどに注意。基本的にはタイヤ周辺が冷めているときに作業する。
タイヤを外したら、ジャッキの横、サイドシルの下に外したタイヤを入れておく。これはジャッキが倒れたときの保険……。
それぐらいパンタジャッキでのジャッキアップは安定感に欠けるので、パンタでのジャッキアップ中は絶対に車体の下に身体を入れないこと!
余談だが車載ジャッキには、パンタジャッキのほかに、SUVやトラックなどに使われる垂直式の縦型のジャッキ「普通型」と、ベンツやBMWが採用する、ボディの側面に差しこんで回した上げるタイプ「ボディジャッキ」などもある。
また社外品では、油圧式のパンタジャッキ、いわゆるシザースジャッキもあるし、ネジ式のパンタジャッキを電動ドライバーで上げ下げするような応用も。
いずれにせよ、パンタジャッキは不安定で、一輪しか持ち上げられないものなので、使用時は取扱説明書をよく読んで、リスクを最小限にしたうえで使うこと。