後半は名物の登り区間が続く!
300Rは120Rの入り口部と230Rのコーナー中間部を繋げた高速部分。ほぼ全開で抜けられるが、ウエットだと川が数本現れハイドロを起こしやすい。アウト側ランオフが広く、イン側はガードレールが迫っているのは同様で、ここでもアクシデントが多い。
そして富士スピードウェイの特徴的な登り勾配区間であるセクター3へ続いていく。
その入り口となる10コーナー(ダンロップコーナー)はかつて「シケイン」として設定された低速S字コーナーで、富士スピードウェイでもっとも標高の低い場所になる。高速300Rを駆け下りながら減速し、登り区間へとアプローチするのは荷重変化が激しく難しい。
低速コーナーではダウンフォースも期待できないのでフォーミュラカーでもブレーキロックを引き起こしやすいのだ。GTカーなどABSやトラクションコントロールを装備していれば、極めて有効な効果を引き出せる。
やや縁石をカット気味に、直線的に最短のラインを取り、ハンドル舵角を小さくして、トラクションをかけてスムースに加速。続く登り区間の13コーナーはブラインドコーナーで先が見えず、イン側が一段盛り上がって高くなっているのでライン取りが難しい。
登り勾配がきつく、ステアリング操舵抵抗も大きいのでアクセルオフをすると減速してしまう。パーシャルアクセルコントロールを使い小さい操舵角でクリアするのが理想だ。レース後半にタイヤのグリップ力が低下してくると、もっとも影響を受け易い場所でもある。
そして85R〜25Rと複合コーナーで構成された名物GRスープラコーナーへとアプローチしていく。25Rもブラインドで、先の路面が見辛くコースアウトやアクシデントが最も多い。一方、ミスなくクリアできれば最終コーナーへの加速が有利になり、タイムも向上する。
最終コーナー(パナソニックコーナー)は75Rのアプローチから33Rへと小さく回り込んでいる。また登り勾配も強く、アクセルオフだけでも大きく減速する。ライン取りの自由度も高いが、最終コーナー脱出速度が最後の直線での速度の伸びに大きく影響するので、最高速を得るうえで重要なポイントとなる。
そしてストレート。1.5km(1475m)の直線だ。標高約600mと空気が薄く、空気抵抗が少ないので過給器付エンジン搭載車であれば速度が伸びるがNA(自然吸気)エンジン車ではパワーが低下する。市販車ではスーパーカークラスで最高速300km/h弱が記録でき、レーシングカーでは350km/hに達するクラスもある。
このように世界的にも名高く注目されている富士スピードウェイを走ることはドライバー冥利に尽きる。グランツーリスモなどドライビングシミュレーターなどでの再現性も高く、さまざまな練習方法を駆使して攻略してもらいたい。