この記事をまとめると
■高速道路では所要時間情報が表示されている
■時間はどのように計測・予測しているのか?
■車両感知器に加え、ETC2.0のデータも利用されている
車両検知器による実測値から計算
高速道路を走っていると、主要インターチェンジまで「●●分」といった表示をしている掲示板を見かけることがある。あの表示は『所要時間情報』といい、高速道路を管理運営している各NEXCOが情報を提供しているものだ。
極端な渋滞時などは進んでいくと所要時間が増えていくこともあるが、通常であればかなり正確に所要時間を表示していると感じているのではないだろうか。
はたして、表示されている時間はどのように計測・予測しているのだろうか。
基本となるのは、2km間隔で路面に埋め込まれた車両感知器によるものだ。ここで計測した速度をもとに、表示板からインターチェンジまでの区間距離から計算して所要時間を算出している。
ただし、この方式では、車両の停滞や発進・停止が頻発する渋滞時には、正確な速度の計測が難しいという課題がある。
そこで、2020年から採用されているのがETC2.0のプローブデータを用いた所要時間の算出だ。NEXCO によれば、「ETC2.0プローブデータとは、ETC2.0車載器を搭載した車両の位置や速度などの走行データを200m間隔で自動的に蓄積するもの」ということだ。
つまり、従来の車両感知器よりも高精度で、実際の車両速度を計測できるようになっている。
実際、NEXCO中日本の実証実験によれば渋滞時の所要時間算出においては、2kmごとに設置された車両感知器を使った場合と比べて明らかに精度が上がるということだ。
ただし従来からの車両感知器を使った場合でも非渋滞時においては95%程度の精度で所要時間を算出でき、その精度はETC2.0を利用した場合と大差がないという。所要時間表示は、ある程度信頼できるというわけだ。