意外にも他車とはあまり被らないサイズ感
エスクードのボディサイズは全長4175×全幅1775×全高1610mm。ホイールベース2500mm。同クラスのライバルとしては、マツダCX-3(全長4275×全幅1765×全高1550mm)、トヨタ・ヤリスクロス(全長4180×全幅1765×全高1590mm)、輸入車ではVW T-Cross(全長4125×全幅1785×全高1580mm)がある。ちなみにトヨタ・ライズ、ダイハツ・ロッキーは、スズキ・クロスビーはコンパクトクラスと言ってもクラス下。ホンダ・ヴェゼルやスバルXVはややクラス上ということになり、あるようでなかなか探せないサイズ感を持っている。
日本の路上でも扱いやすいボディサイズの小さすぎず、大きすぎないエスクードクラスの最新SUVは、意外なほど走破性にも優れ、さらにその下のモデルよりもとくに後席の居住性、ラゲッジルームにゆとりがある点で走行面、実用面でのメリットがある。一方で、ミドルクラス以上に比べ、フル乗車でのアウトドアといったシーンでの荷物の積載力では敵うはずもない。今、大流行中の車中泊の車内ベッド化=ベッド長に関しても、やや物足りないケースも出てきて当然だ(寝る人の身長による)。そもそも全長、室内長に余裕がないからである。そのぶん、運転のしやすさ、ボディの見切りの良さといった走りやすさにつながるのだが……。
また、このクラスのSUV、クロスオーバーモデルは、都会にも似合うスタイリッシュさを売りにしていることがほとんどで、SUVとしては低全高で走りの腰高感がなく、また泥、ホコリの臭いがせず、全高が低めなのが特徴となる。とはいえ、コンパクトなサイズながら、立体駐車場に入るか? となれば、全高1550mm制限の立体駐車場には、たとえばスバルXVのように全高1550mm(ルーフレール装着車とAdvanceグレードを除く)の特殊な車種とは違って入れない。新型エスクードの全高1610mmもしかり、である。また、小排気量のNAモデルだと、フル乗車、荷物満載といったシーンでは、動力性能が物足りなく感じることもあるかも知れない。
と、メリットもデメリットもあるコンパクトクラスのSUVだが、ガソリン価格高騰の今、最大のメリットと言えるのは、やはり燃費性能の良さだ。その軽快感ある走りっぷりとともに、「SUVは重く大きく燃費が悪い」という常識を大きく覆す、今だからこそより際立つメリットを持ち合わせる。WLTCモード燃費はハイブリッドのエスクードが19.6km/Lと頑張っているし、CX-3もクリーンディーゼルモデルなら最高23.2km/Lだ。ヤリスクロスのハイブリッドに至っては最高30.8km/Lと驚異的な燃費性能と言っていい。本格的なSUV性能、走破性とともに、買いやすい価格や高い経済性まで望むのであれば、SUVの入門車として最適と言って良さそうだ。
コンパクトSUVとして、もう少し大きくてもいいというなら、ホンダ・ヴェゼルのe:HEVモデル、スバルXVのAdvanceグレード、マツダCX-30のクリーンディーゼルモデルもお薦めである。