この記事をまとめると
■SUVの売れ行きが上昇している
■ほかのカテゴリーには廃止された車種も多い
■消えたクルマとその理由について解説する
セダンは大幅に減少
2010年以降は、SUVの売れ行きが急上昇した。2010年以前は、小型/普通乗用車市場に占めるSUV比率は10%少々だったが、今は30%に達する。トヨタではヤリスクロスやカローラクロス、ホンダなら先代型を含めてヴェゼルなど、SUVの新型車も活発に投入されている。
その一方で、ほかのカテゴリーには、廃止された車種も多い。とくにセダンは大幅に減少した。かつてセダンを豊富に用意したトヨタでは、マークXやプレミオ&アリオンが生産を終えた。日産では、ティアナやシルフィに続いて、シーマやフーガも生産を終える。そのために日産のセダンは、今後はスカイラインのみになってしまう。
セダンが消滅する一番大きな理由は、セダンというカテゴリー自体の人気が薄れたことだ。セダンは日本の自動車産業が本格的な発展を開始した1950年代から設定され、ミニバンが人気を高める1990年代の中盤まで、約40年間にわたり乗用車の中心であり続けた。
そのために近年ではセダンが飽きられ、クルマが生活のツールになると、コンパクトで運転しやすく車内の広い価格の割安な車種が求められた。その結果、新車として売られるクルマの38%を軽自動車が占めて、セダンは売れ行きを下げた。
しかも今は北米などの海外市場でもセダンが低調で、フォードはセダン市場からの撤退を公表している。セダンは日本国内に加えて海外でも売りにくくなったから、車種数がさらに減った。