この記事をまとめると
■EVのなかでも知名度が高い日産リーフ
■日本とアメリカでは20万円もの価格差がある
■国や地域による新車価格の違いは多くのメーカーに存存する
日本では購入補助金が充実している
いまいま、日産のBEV(電気自動車)といえば、最新の「アリア」への注目が高まっている。半導体不足や資材高騰など、課題はさまざまあるなか、日本ではB6/2WDが2022年3月からやっとデリバリーが始まったところだ。今後、B6/e-4ORCEや、搭載電池容量が大きなB9の2WDとe-4ORCEが順次、発売される予定だ。
とはいえ、アリアのメーカー希望小売価格(消費税込み)はもっとも手ごろなB6/2WDでも539万円で、最上位のB9/e-4ORCEは790万200円という高級車である。そうなると日産としてBEV販売については、当面はリーフが主流という流れが大きく変わることはないように思える。
むろん、リーフでは走り、装備、航続距離、さらにデザインなどの面で物足りなさを感じているリーフオーナーが、アリアにステップアップするケースは珍しくない。
こうした日産BEVラインアップのなかで、日米でリーフの価格に違いがある。アメリカでは、MSRP(メーカー希望小売価格)が2万7400ドル。これは2021年7月に大幅な価格改訂を受けた価格であり、アメリカのユーザーにとってリーフはかなりリーズナブルになった印象だろう。
日本円換算すると、最近は円安傾向に伴って、円建てでの見かけ価格が上がってきているが、それでも2022年5月中旬での1ドル128円換算で、2万7400ドルは350万7200円である。一方、日本では370万9200円で、かなり円安に振れているアメリカ市場価格より、20万円も高い。
こうした国や地域による新車価格の違いは、リーフや日産に限った話ではなく、自動車メーカー各社で存在している。
その理由は、国や地域による販売戦略によるものであり、本社と各国や各地域の販売統括会社が販売店での販売実情を十分に加味したうえで、かなり思い切った価格設定をすることも珍しくない。
また、BEVについて、国や地域によっては行政による普及政策に違いがあり、その結果としてBEV普及促進に向けたユーザー向けの販売補助事業でも、大きな差があるのが実情だ。
なかでも、日本の場合、BEV購入補助金に対して手厚い体制が敷かれており、国だけではなく、場所によっては地方自治体からの補助金もあり、また車両だけではなく自宅用の充電器に対する補助についてもさまざまな要件がある。
ご存じの方も多いと思うが、こうした行政からの購入補助金は、あくまでも年度予算で組まれているものであり、予定額をオーバーした時点で申請を受け付けなくなる。
いずれにしても、日米で新車価格差があるリーフだが、現状では日本では購入補助金が充実しているので、ユーザーにとってアメリカに比べて割高という印象は抱かないはずだ。