この記事をまとめると
■スバルが陸上自衛隊に納入する多用途ヘリコプターUH-2量産初号機の初飛行を実施
■スバルは米国ベル・テキストストロン社と共同開発した「ベル412EPX」を販売中
■UH-2は民間向けに製造した「ベル412EPX」の陸上自衛隊仕様となっている
スバルが陸上自衛隊向けに製造する新多用途ヘリコプター「UH-2」
4輪駆動システムや水平対向エンジン、運転支援機能のアイサイトなどの技術で世界的にも評価されているスバルだが、その歴史を紐解いていくと、戦前に軍用機や航空用エンジンの開発製造をしていた日本最大規模の航空機メーカーだった中島飛行機にたどり着く。しかし戦後、航空機の開発・製造が禁止されて中島飛行機は解体、非軍需産業への転換を余儀なくされたわけだが、そこで誕生したのが富士産業(後の富士重工業)だ。つまりスバルは、もともとは「空」の出身だったのだ。
そんなスバルが、陸上自衛隊に納入する新多用途ヘリコプターのUH-2量産初号機の初飛行を実施。同機はテストパイロットの操縦によって宇都宮飛行場を離陸して周辺空域を飛行し、約30分後に同飛行場に着陸した。
陸上自衛隊新多用途ヘリコプターUH-2のプロジェクトは、2015年9月に防衛省との間で試作請負契約を締結したことから始まった。米国ベル・テキストストロン社とスバルが共同開発し、すでに警察庁などにも導入されている民間向け最新型ヘリコプター「スバル・ベル412EPX」を共通プラットフォームに、陸上自衛隊向けの仕様を盛り込んだ機体なっている。2018年12月には試験機の飛行試験を開始しており、2019年2月には試作機を自衛隊に納入。そしてこの度、量産初号機の飛行が実施されたというわけだ。
今後もスバルは、陸上自衛隊への納入に向けて、引き続き各種車内飛行試験を実施していく予定だという。民間でのスバルの「空」への復帰に続く自衛隊への復帰に感慨深い想いを抱いている人も多いことだろう。スバルの「空」での活躍にも期待したい。