この記事をまとめると
■クルマには車名が付けられている
■それぞれにメーカーの思いが込められている
■この記事では由来や誕生秘話が興味深い車名を5つ挙げて紹介
それぞれにメーカーの思いが込められている!
生まれた子どもの健やかな成長を願い、親がいろんな意味を込めてつける「名前」。漢字にこだわったり、画数を調べたりと、なかなか苦労する作業なんですよね。じつはクルマの名前も同じで、自動車メーカーにとっては生み出して世に送り出す、子どものようなものだと言われます。名前にはそのクルマの持つキャラクターを明確に表したり、乗る人にとってこんなクルマであって欲しい、という願いを込めたりしています。ただ日本だけでなく海外でも売る場合には、すべての国で通じる名前にしたり、過去の他社製品と被らないようにするなど、いろんな苦労があるようですね。今回はそんな車名のなかから、由来や誕生秘話が興味深いものをいくつかご紹介したいと思います。
1台目は、世界中で大ヒットしてすでに4代目モデルとなっている、ホンダ・フィット。もちろんその意味は、英語で「ピッタリの」を意味するとおり、乗る人みんなのあらゆる生活シーンにぴったりフィットして欲しいという願いが込められています。が、じつは当初、フィットではなく「フィッタ」になるはずだったのです。エンブレムやカタログまですでに完成していたそうですが、発売直前になってスペイン語圏では女性の性器を意味するということがわかり、急遽「フィット」に変更。カタログなどすべて作り直して、なんとか間に合ったという経緯があるのです。ただ実際には、欧州ではフィットではなく「ジャズ」という名前で発売されています。
またフィットには以前、派生車種としてフィットアリア、フィットシャトルがありましたが、「アリア」はオペラのなかで歌われる独唱曲を意味します。音楽のようにあらゆる人の心を自由に解き放ち、乗る人が感じるままに、歌うように走る歓びをもたらすクルマという願いが込められています。それが今、日産の新しい電気自動車「アリア」になると、また意味が変わってくるのが興味深いところ。日産アリアの場合は「ARIYA」と書き、古代ヨーロッパ圏における威厳・高貴を意味しています。静寂のなかに力強さを秘めた存在というコンセプトと、日産が考えるEVの理想像を表現していると言います。
そして「シャトル」はスペースシャトルに由来しており、人と荷物を安全に、そして先進の技術で運ぶというイメージを表現しているのだそうです。
2台目は、世界最小の本格クロカン4WDとして人気を博している、スズキ・ジムニー。この名前は「Jeep」「Mini」「Tiny」の3つを合わせた造語で、発音のしやすさ、覚えやすさなどから名付けたとされています。一説には、ジープ型のミニという意味が込められているとも言われています。ジムニーには普通車版のジムニーシエラがありますが、「シエラ」は連峰・山脈を意味していて、どこでも自由に駆け巡ることができるジムニーの魅力にぴったり。またシエラという語感が上質なイメージを与えることもあって、採用されています。