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エンジン車存続の切り札と期待も課題は多数! メーカーも注目する「バイオ燃料」の行く末 (2/2ページ)

エンジン車存続の切り札と期待も課題は多数! メーカーも注目する「バイオ燃料」の行く末

この記事をまとめると

■カーボンニュートラルを実現する燃料のひとつとしてバイオ燃料が注目されている

■2000年頃から研究開発されているが、食料自給率の低い日本での有用性には賛否がある

■航空機や船舶、汎用機器など、電動化での対処が厳しい分野からの活用が期待される

2000年頃から研究開発されているバイオ燃料

 エンジン存続のため、水素以外で注目されているのがバイオ燃料だ。バイオ燃料とは、ガソリンや軽油などの化石燃料(地下資源)と違い、生物が持つエネルギーを活用した燃料をいう。エンジンで燃やして使えば二酸化炭素(CO2)を含む排気を出すが、そのCO2は、生物の成長過程で蓄えられたものであるため、吸収と排出の結果が等しいと考えられ、大気中のCO2増加につながらないと期待されている。

 バイオ燃料は、新しい話題ではない。天麩羅に使った廃油を活用してディーゼルエンジンに使う考えは以前からあり、トヨタ車体は、これを使った量産のランドクルーザーでダカールラリーに1995年から参戦し、量産車部門で連覇を重ねてきた。

 ほかにも、米国のインディカーレースは、1969年からアルコール燃料を使っている。万一の事故に際し、水で消火できることが重視された。1970年代には二度の石油危機があり、脱石油という動きもバイオ燃料に注目させた。2007年からは、米国の農業促進政策の思惑もあってインディカーのアルコール燃料は100%のバイオエタノールに変更されている。

 気候変動対策として、2000年あたりから欧州で乗用車向けバイオ燃料の取り組みが熱を帯び、バイオガソリンやバイオディーゼルの研究開発が盛んに行われ、ガソリンや軽油などにバイオ燃料を混ぜて使うことが推進された。

 しかし、燃料のすべてをバイオ燃料に代替するまでには至っていない。ただし、南米ブラジルでは、石油危機を契機に、豊富に耕作されるトウモロコシを原料としたエタノール燃料をクルマに使うことが進められてきたことは有名だ。

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